丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)が9月22日、インフルエンザ陽性で「世界卓球2022成都」<9月30日〜10月9日/中国>欠場を発表。 その3日前の19日には、ドイツ・ブンデスリーガの所属チームであるケーニヒスホーフェンで自身2戦目…

丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)が9月22日、インフルエンザ陽性で「世界卓球2022成都」<9月30日〜10月9日/中国>欠場を発表。

その3日前の19日には、ドイツ・ブンデスリーガの所属チームであるケーニヒスホーフェンで自身2戦目を迎えるはずだった宇田幸矢(明治大学)が体調不良のため急きょ、出場をキャンセルした。

前週は丹羽と同じくWTTコンテンダー・アルマトイ(カザフスタン)に出場していただけに、宇田もインフルエンザに罹ったのではないかと心配されたが、23日に行われたブンデスリーガのクラブチームによるトーナメント戦「ドイツカップ」に出場。その試合直後、本人に話を聞くことができた。

気になる現在の体調やここまで2試合に出場したブンデスリーガでの最新情報、そして代表を逃した世界卓球2022成都について現在の宇田の心境をお伝えする。

―体調はいかがですか?

今はだいぶ落ち着きました。

10日にブンデスリーガのデビュー戦に出た翌日、カザフスタンに入って13日から予選だったんですけど、初戦で負けてすぐ体調が良くないなと感じて。そこからちょっとずつ悪くなっていって、ラケットもほとんど握れなかったしトレーニングもできず、症状は18日から19日にかけてがピークでした。

―19日はカザフスタンからドイツへの移動日でしたが?

午前3時半にホテル出発だったので、深夜0時ぐらいから3時ぐらいまで寝ようしたんですけど、咳が止まらなくて一睡もできませんでした。 当初は19日の夜もノイ・ウルム戦に出る予定だったので、試合会場に着いてからボールを打ったんですけど、頭が痛くて咳も止まらなくてダメでした。

―インフルエンザではなかった?

20日に病院へ行って風邪という診断でした。19日にホテルで休んでだいぶ寝れたのでスッキリしていて、熱は37.7度くらい。前日の方が熱があるなという感じでした。

ただコロナは検査をして陰性だったので、ドイツカップに出ていいということになりました。

宇田幸矢 写真提供=ttbl

―ドイツカップは名門オクセンハウゼンと対戦し、第2マッチでゴジ(フランス)にストレート負け。チームも初戦敗退という結果。試合を振り返ってどうですか?

21日から練習を再開して、2日間では体力も技術的にも戻り切らなかったというか。ゴジ選手とは7月のWTTチャンピオンズで対戦し3-1で勝っていたので、今回は相手がしっかり戦術を立ててきたなという印象でした。

やはりラリーになればいいんですけど、細かいところは練習していないとミスが出てしまって、1ゲーム目、リードされた展開から10オールに追いついて捕まえかけたり、2ゲーム目もリードしていい流れを掴みかけたりしても、ミスから一気に流れを持っていかれる展開が多かったですね。

―他方、10日のグリューンヴェッターズバッハ戦では2点起用されて1勝1敗。デビュー戦で勝利を飾りチームも今季初勝利を挙げたことについては?

1番で負けたカットマンのワン・シ選手(ドイツ)とは6、7年前、自分が中学生だった頃に試合をしていて強いというのは知っていました。実際、難しい相手で苦戦してゲームカウント0-3で勝てなかったんですけど、ああいう(個性的なプレーをする)選手がいるからブンデスリーガは試合をしていて面白いなと思います。

逆にチームメートが回してくれた4番ではアポロニア選手(ポルトガル)にストレートで勝ってチームの勝利に貢献できたので良かったです。

宇田幸矢 写真提供=ttbl

―8日にドイツに渡ってからハードスケジュールをこなし、体力的にきつかったと思いますが精神的な部分はどうでしたか?

精神的には向上心を持ってモチベーションは高い状態です。だからこそカザフスタンで体調を崩し練習もトレーニングもできなかったのが残念です。

でも自分自身、ドイツに来たのはこういう経験も含めてというのがありますし、チーム監督の板垣孝司先生もいろんな経験をさせたいという思いで試合に出場させてくれているので、全ての経験を次の試合に生かしたいと思います。

―30日に世界卓球2022成都が開幕。今回、代表メンバーになれず悔しい思いもあるかと思いますが、どう受け止めていますか?

世界ランキング(現在24位で日本人2番手)で見ると出場を勝ち取らなければいけなかったという反省はあります。

でも、もう代表メンバーから落ちてしまったので、世界卓球はしっかり見て勉強してパリオリンピックの代表選考会を勝たないと、来年の世界卓球(ダーバン)にも出られなくなる。そこを軸に11月の選考会(11月12〜13日/船橋)に向けて頑張ろうという気持ちです。

宇田幸矢 写真提供=ttbl

―今後の予定は?

24日にドイツを発って、25日に日本に戻ります。ちょうど世界卓球に出発する代表チームのみんなと入れ替わりなんですよ。なので世界卓球は日本で見ます。

10月は19日からWTTチャンピオンズ・マカオ(10月19〜23日)に出場するので、現地での隔離期間もあり、5日にまた日本を出発します。


喋るとまだ咳が出るという宇田。インタビュー中も少し咳をしながらだったが体調は着実に快復している模様。約3週間ぶりの帰国でコンディションを整え10月の国際大会、そして11月のパリ2024オリンピック代表の第3回選考会を終えると、再びドイツへ戻りブンデスリーガに出場する予定だ。宇田のタフな挑戦はまだまだ続く。

(文=高樹ミナ)