※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。 9月10日に開幕した東京六大学野球秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)は早くも第3週を迎える。開幕節の法大戦で2連勝し幸先よく勝ち点を手にした早大は、昨季全校から勝ち点を獲得し…

※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。

 9月10日に開幕した東京六大学野球秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)は早くも第3週を迎える。開幕節の法大戦で2連勝し幸先よく勝ち点を手にした早大は、昨季全校から勝ち点を獲得し優勝を果たした明大と対戦する。明大は開幕戦となった東大1回戦ではまさかの引き分けを喫するも、その後は2連勝し勝ち点を獲得した。この明大戦は秋季リーグ戦2カード目にして大きな山場となるだろう。


4番の蛭間は復調できるか

 明大は昨季リーグ最多の5人がベストナイン入りするなど、強力な打線が持ち味だ。特に好調なのが1番を打つ村松開人主将(4年)と4番の上田希由翔(3年)だ。ケガから完全復帰した村松は3試合で14打数7安打、上田は2本塁打と共にいいスタートを切っている。また、昨季悔しい思いをした日置航(4年)も好調だ。他にも不調気味だが、昨季に首位打者とMVPを獲得し、大学日本代表にも選出された宗山塁(2年)やベストナインを獲得した山田陸人副将(4年)、蓑尾海斗副将(4年)と好打者が並んでいる。主軸が本調子ではなくても東大2回戦、3回戦では2桁得点をしており、強力打線は健在だ。

 投手陣は、昨季安定感のある投球をした蒔田稔(3年)、村田賢一(3年)の2人に加え、昨秋1年生ながら2番手として先発を任されていた藤江星河(2年)がケガから復帰。強力な先発ローテーションになった。前節の東大戦では、それぞれ序盤に複数失点を許して本来の投球はできなかったが、実力は折り紙つき。早大の脅威になることは間違いないだろう。中継ぎにも、東大戦3試合すべてに登板し5回被安打0無失点と圧巻の投球を見せた石原勇輝(3年)や、経験豊富な高山陽成(4年)といった実績のある投手が並ぶ。


強力打線が相手なだけに守備でのミスは許されない

 対する早大は法大戦では2試合連続で完封勝利するなど、投手陣が好調だ。先発1番手の加藤孝太郎(人3=茨城・下妻一)は、ストライク先行の投球で8回を投げ被安打4の好投。2回戦に先発した左腕・清水大成(スポ3=大阪・履正社)は6回被安打3と安定した投球を見せた。2人の好投が昨季の覇者を撃破する鍵になりそうだ。ベンチにはクローザーの伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)や、完封リレーに貢献した原功征副将(スポ4=滋賀・彦根東)、鹿田泰生(商2=東京・早実)が控える。また、それ以外にも昨季経験を積んだ伊藤大征(社3=東京・早実)や中森光希(文構2=大阪・明星)など、役者がそろっている。

 打撃陣は本調子とは言えないが、昨季に比べてつながりが出ている。法大戦では2試合を通じて下位打線がチャンスを作り、上位で返すという得点シーンが多く見られたように、好調の印出太一(スポ2=愛知・中京大中京)や山県秀(商2=東京・早大学院)ら下位打線のチャンスメイクが重要になるだろう。そうした中、ドラフト1位候補の主砲・蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が苦しんでいる。7打数で安打は0、法大1回戦では3打席連続三振を喫するなど不調に陥っている。チームの流れを変える1発があるだけに、眠れる主砲の復活は明大撃破、そして賜杯奪還には必要不可欠だ。

 開幕カードで2連勝という素晴らしいスタートを切ったが、まだ安心はできない。ここから明大、今季勢いのある東大と難しい試合が続く。リーグ戦優勝に向けて大事な2週間となるだろう。賜杯奪還に向けて絶対に負けられない戦いが始まる。

(記事 田中駿祐)