『The Battle Cats presents 超RIZIN(スーパーライジン)』が25日、さいたまスーパーアリーナにて開催される。同大会は、同日夕刻スタートの『湘南美容クリニック presents RIZIN.38(ライジン38)』と…

『The Battle Cats presents 超RIZIN(スーパーライジン)』が25日、さいたまスーパーアリーナにて開催される。同大会は、同日夕刻スタートの『湘南美容クリニック presents RIZIN.38(ライジン38)』と並び、二部制で行われる。超RIZINは海外への発信もあり、アメリカ現地時間も考慮し、日本時間正午開始予定となっている。

メインイベントでは『フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来』のカードが実現。世界中で話題のエキシビションは見どころたっぷりだ。

◆【超RIZIN】「メイウェザーvs.朝倉未来」格闘家たちの試合展開予想まとめ、大会概要・ルール、戦績、体格差

■メイウェザーの試合運びに注目

メイウェザーは、プロボクシング戦績50戦50勝無敗でパウンド・フォー・パウンド(PFP)最強の元ボクサー。2017年に無敗のまま引退すると、18年大晦日にRIZINで那須川天心とのエキシビションマッチでリングに上がった。エキシビションのため、勝敗は付かなかったものの天心を初回KOし、日本のファンを驚愕させた。その後もアメリカのYouTuberローガン・ポールとのエキシビションに参戦するなど、現在も大金を稼ぎ続けている。

一方の朝倉は日本では格闘家としてもっとも有名なYouTuberであり、MMAファイターとしても一流。MMAは20戦16勝3敗と好戦績で、21年6月にクレベル・コイケに敗れてタイトル戦線から遠のいたが、現在は2連勝中だ。

勝敗の鍵は、言うまでもなく「メイウェザーがいかにして戦うか」だ。天心とのエキシビションでは、天心の左ストレートが顔面をかすめた後、一気に攻めに転じてKOパンチを容赦なく叩き込んでいた。「エキシビションだから、倒しに行かずに試合を終える」という忖度は、彼には一切ない。

ボクシングのスペシャリストであるメイウェザーにとって、朝倉のパンチをひたすら避け続けることも可能。一方、チャンスと見るや、圧力をかけて勝負を決めに行くこともできる。メイウェザーがリング上で何を感じ、試合をどうコントロールするのか、注目が集まる。

ABEMAのインタビューで、メイウェザーは「前回日本に行ったとき(天心戦)は早く試合が終わり過ぎて、ファンは十分に楽しめなかった。だから、今回はできることなら長い時間やりたい」と1ラウンド決着ではなく、長いラウンドを戦う予定だとしている。この発言の真偽は定かではない。

■体重差はアドバンテージになり得るか

18日に来日を果たしたメイウェザーは「相手のことは全く気にしていない。だって俺自身が世界最高だから。フロイド・メイウェザーがみんなを楽しませるから、この週末にね」と余裕を見せていた。朝倉の分析などは行わず、サウスポー構えであることしか情報収集はしていない。

気になるルールや体重面については、フリーウェイトで前日計量も行わず、グローブはおそらく10オンスとのこと。RIZINの榊原信行CEOは「体格差で言うと未来の方が有利です。未来はだいぶ勝機が増えました」との見解を述べている。現役時代はウェルター級 (66.68キロ)で戦っていたメイウェザーに対し、朝倉は75キロ前後で試合に臨むことを明かしていた。確かにフェイスオフで並んだ際、若干朝倉が体格で有利にも見える。

だが、過去にメイウェザーは朝倉より体格の優る相手とエキシビションを行っている。21年6月、著名YouTuberのローガン・ポールとのエキシビションマッチだ。メイウェザーは70.3キロ、ローガン・ポールは85.95キロで前日計量をパスしており、なんと体格差は15キロ。試合当日にはリカバリーも含め、約20キロ差で対戦したと言われている。

結果は8回フルラウンドを戦い、エキシビションのため勝敗が付かずに終わっている。ポールが健闘し数発パンチをヒットさせる場面もあったが、メイウェザーにとっては全く問題にならなかった。そのため、今回も朝倉との体重差はさほど問題にならないだろう。リーチではメイウェザーが上回る(9センチ)ため、ジャブの差し合いではメイウェザーが完全に優位に立つことが想定される。

■「被弾覚悟」で挑む朝倉未来の勝機

朝倉にとっては、メイウェザーにどのようなサプライズを準備するかが鍵。MMAを活かした変則的な打撃やステップ、ボクシングにはない角度のパンチなど分析力に定評のある朝倉だからこそ、さまざまな技術を駆使して何か起こしてくれそうだ。

「メイウェザーは詰めたときに丸まるので、総合格闘家っぽい技を出していこうかな」と予告する朝倉。ボクシングとは異なる3ラウンドの短期戦だからこそできる戦いをする構え。「たぶんボクシングとは違う競技になる」との言葉通りだ。

戦略については「メイウェザーのパンチを無視すること。奇麗に戦おうとしたら相手の土俵になってしまう。最初からフィジカルを使って、結構もらいながらもどんどん詰めていく」と話している。これまでKO負けのない朝倉は「このために打たれ強さをとっておいたようなもの」と不敵に語る。

メイウェザーをKOできれば、間違いなく世界に衝撃を与えることになる。被弾覚悟でメイウェザーの懐に入れるかが朝倉にとって唯一の勝つ術なのかもしれない。異例のエキシビションは、果たしてどのような結末を迎えるのか。そして、朝倉はメイウェザーに一泡吹かせることができるか。

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文●吉田崇雄