『湘南美容クリニック presents RIZIN.38』のメインイベント、第4代RIZINバンタム級王者の堀口恭司対“マサカリ殺法”金太郎は25日、さいたまスーパーアリーナで行われる。同大会は、昼に行われるフロイド…

『湘南美容クリニック presents RIZIN.38』のメインイベント、第4代RIZINバンタム級王者の堀口恭司対“マサカリ殺法”金太郎は25日、さいたまスーパーアリーナで行われる。

同大会は、昼に行われるフロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来のエキシビションをメインイベントとした『超RIZIN』の興行後に、通常のナンバーシリーズとして開催される。

ここでは「堀口恭司 vs. 金太郎」の試合展開を予想する。

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■崖っぷちの堀口「動物みたいな動きを楽しんで」

堀口は“史上最強のMade In JAPAN”。世界最高峰のUFCフライ級で、王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦するなど海外で活躍し、2017年にRIZIN電撃参戦。19年にはBellatorとRIZINの同時王者になり、国内外で大きな注目を集めた。その後、右ヒザ前十字靭帯断裂の怪我で2つの王座を返上したが、20年の大晦日に朝倉海との再戦で奪還を果たす。

新型コロナウイルスが流行する世界情勢の中、21年9月よりBellatorを主戦場とすることを発表。21年12月には自身が返上したベルトを巻く当時の王者セルジオ・ペティスに挑戦したが、バックブローで失神KO負け。今年4月にはバンタム級ワールドGPに参戦したが、初戦でパトリック・ミックスに判定負けし、2連敗となった。

堀口にとって2連敗は、UFC時代も含めてキャリア初の出来事だった。17年にRIZINに復帰して以降、19年8月の朝倉海戦を除くと、全勝のレコードを残していた。彼にとってはこれ以上の負けは許されない状況。Bellatorで再びトップ戦線へ絡むためには、金太郎を相手に完勝することが求められ、万が一敗戦することがあれば、Bellatorリリースにもなりかねない。

通常であればプレッシャーのかかる状況にも関わらず、記者会見ではいつも通り落ち着いた表情で「毎回自分は1試合1試合挑む気持ちは変わらない。試合を見れば分かりますが全く違う動き、動物みたいな動きとよく言われるんですけれど、そこら辺も楽しんで見てください」と意気込みを語っている。金太郎を相手に実力差を見せつけることができるか。

■番狂わせ狙いの金太郎「1ラウンドから目を離さないで」

対戦相手に選ばれた金太郎は、堀口を相手に番狂わせを起こす可能性を十分に秘めている。格闘エリートの堀口とは対照的に、ケンカに明け暮れた青春時代を過ごした後、THE OUTSIDER、DEEPやパンクラスに参戦。“まさかりパンチ”と呼ばれる強烈な打撃で様々な相手をKOしてきた。14勝のうち9つのKOを数える。

金太郎も堀口と同じく2連敗中。だが、この試合で堀口を倒せば一気にバンタム級トップ戦線に食い込むことになる。それだけに気合いは相当なものだろう。武器の思い切りの良い打撃で堀口食いを狙う。「1ラウンドから目を離さないでほしい」と宣言しているだけに、金太郎への期待も膨らむ。一撃で番狂わせを起こし、会場を爆発させることができるか。

■試合展開予想、「いつも通り」の金太郎にも勝機あり

序盤はスタンドの攻防を予想。両者とも打撃テクニックには定評がある。堀口はいつも通り、バックボーンの伝統派空手仕込みのステップで動き回り、遠い距離からのワンツー、フックと攻めるだろう。近年の試合で見せるカーフキックは金太郎がサウスポーのため、朝倉海戦ほどの効果を発揮しない可能性もある。一方の金太郎はチャンスを見て、近い距離での打ち合いに持ちこみたいところ。

金太郎が堀口のスピードや距離感に早く適応できるかが勝負の鍵だ。堀口のKOパターンは、相手のパンチを被弾せず、自身の攻撃を相手のアゴに打ち抜きカウンターで決めるシーンが多い。堀口のスピードやパンチの軌道に、金太郎が順応できない場合、早期にKO負けを喫してしまう可能性もある。だが、金太郎が臆せず堀口のカウンターに更なるカウンターを合わせることができれば、一撃で試合をひっくり返してしまう可能性も。金太郎がいつも通りの金太郎を貫けるかが、大きく展開を左右することになるだろう。

寝技の展開になった際は、堀口が優位になる可能性が高いため、金太郎は一発を効かせた場合一気に勝負をかけたいところ。堀口は仮に被弾したとしても、冷静に寝技へ移行し淡々と極めのチャンスを窺う。金太郎はインタビューで「僕も別に何でもできるので、そこで全然勝負します」と全局面での対抗に自信を見せている。それだけにどのような展開となるのか注目したい。いずれにしても、一撃で試合が決まる可能性の高いスリリングが攻防が見られるはずだ。勝つのは盤石の王者・堀口か、それとも試合を決める一発のある金太郎か。

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文●吉田崇雄