オスナは19年に38セーブでア・リーグのタイトル獲得、今季途中にロッテ加入 MLBのセーブ王という実績は、やはりダテでは…

オスナは19年に38セーブでア・リーグのタイトル獲得、今季途中にロッテ加入

 MLBのセーブ王という実績は、やはりダテではなかった。今季途中でロッテに入団したロベルト・オスナ投手は9月18日終了時点で26試合に登板、3勝無敗9セーブ、9ホールド、防御率0.69(26回、自責2)という圧倒的な数字を残している。今回はMLBでの経歴やセイバーメトリクスで用いられる指標に示された長所について紹介する。

 オスナは2015年にブルージェイズでメジャーデビュー。8月終了時点で防御率1.87をマークしてシーズン途中にクローザーを務めた。最終的には68登板で7ホールド20セーブ、防御率2.58。20歳の若さでチームの地区優勝にも大きく貢献した。翌2016年もブルージェイズの抑えを務め、キャリア最多の72試合に登板。36セーブ、防御率2.68。2017年は防御率3.38ながら、39セーブ&83奪三振はいずれもキャリア最多だった。

 2018年シーズン途中にアストロズへ移籍。2019年に38セーブでアメリカン・リーグのセーブ王に輝いた。ところが、2020年は4試合登板にとどまり、同年オフにアストロズを退団。その後は母国に戻り、メキシカンリーグへと活躍の場を移していた。今年6月にロッテに入団し、当初は中継ぎで登板を重ね、8月下旬にクローザーに配置転換。新天地でもその実力を発揮している。

 MLBでの通算奪三振率は9.94。登板数が少なかった2018年と2020年以外の4シーズンは投球回を上回る奪三振数を記録している。通算の与四球率も1.57。制球力を示す指標の「K/BB」は3.50を上回れば優秀とされる指標だが、オスナは2017年に9.22を記録するなどキャリア通算でも6.33と高水準だ。

 奪三振が多くて与四球は少ない投手は、セイバーメトリクスでは高く評価される。セイバーメトリクスの観点では、投手が安打を打たれるか否かは運に左右される要素が大きく、投手自身にコントロールできる部分は少ないとされるためだ。独力で三振を奪え、自滅して走者を出すことも少ないオスナは理想的な投手ということになる。

150キロ台中盤の速球に加え、複数の高精度の変化球を備える

 今季のNPBでの記録を見ても奪三振率は10.44(25回で29奪三振)。四球はわずかに3で与四球率も1.08とすぐれた数字を記録している。結果、K/BBは9.67という圧倒的な水準。四球から崩れることはなく、被打率.141と安打を許すことも少ない。1イニングに出した走者の数を示す「WHIP」も0.60と、そもそも走者を出すこと自体が稀になっている。

 次に9月3日までの投球内容から、NPBでの結果球の球種割合を分析。150キロ台の中盤の速球を武器とするが、結果球となる割合は50%に満たない。代わりにツーシーム、スライダー、カットボール、シュートといった多彩な持ち球を、決め球としてそれぞれ10%以上の割合で投げ分けている。

 ツーシームは150キロ超の速さで鋭く変化し、カットボールも140キロ台の中盤に達する。また、140キロ台前半のスライダーは、同じ方向に曲がるカットボールとは僅かに球速差がついており、130キロのチェンジアップで緩急もつけられる。抜群の球威を持ち、技巧派さながらの豊富な引出しとハイレベルな制球力を兼ね備えている点も攻略を難しくしている。

 快速球と多彩な変化球を織り交ぜた「これぞMLBのクローザー」と形容できるオスナのピッチングは、まさに一見の価値あり。残るシーズンも少なくなってきたが、新たな“救世主”の非の打ち所がない投球内容に注目してみてはいかがだろうか。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)