佐々木朗希は完全試合、13者連続奪三振など期待通りの活躍 プロ野球のシーズンも最終盤を迎えた。今季の球界を見ると目につく…
佐々木朗希は完全試合、13者連続奪三振など期待通りの活躍
プロ野球のシーズンも最終盤を迎えた。今季の球界を見ると目につくのが、高卒3年目世代の躍進だ。プロ野球28年ぶりの完全試合を達成した佐々木朗希投手(ロッテ)をはじめ、セ・リーグにもタイトルの期待がかかる選手が出現。“朗希世代”の今季をまとめてみよう。(数字は15日現在)
2018年秋のドラフトは、高校生に人気が集中した。佐々木朗には西武、ロッテ、日本ハム、楽天の4球団が1位指名で競合し、当たりくじを引いたのはロッテだった。1年目は2軍でも実戦登板がなかったが、今季は先発ローテーションの一角を占めるまでに成長。規定投球回にこそ達していないものの、19試合で9勝4敗、防御率2.04。奪三振はリーグトップの山本由伸(オリックス)を13個差で追う168個に達する。
パ・リーグでこの世代の選手を見ると、佐々木朗より一足早く昨季ブレークを果たしたオリックスの宮城大弥投手、紅林弘太郎内野手のコンビが目につく。
昨季13勝4敗の成績で新人王を獲得した宮城は、今季も22試合に先発して10勝7敗、防御率3.07。すっかり計算できる投手として先発ローテーションを支えている。
紅林もレギュラー遊撃手の座を死守している。120試合に出場し打率は昨年より低い.219。本塁打も10本から6本に減っているが、出塁率は.251から.272と2分ほど上げ、進化のあとを見せている。
共にドラ5の岡林勇希、長岡秀樹が好守でレギュラーに台頭
セ・リーグでは、ゴールデングラブも狙える好守の2人が成長株筆頭だ。中日の岡林勇希外野手は129試合に出場し打率.283。さらに守備全般の貢献を示す「UZR」での突出ぶりが際立つ。セイバーメトリクスの指標などを用いて分析を行う株式会社DELTA)が算出した数値でみると+24.0は12球団の野手で断トツ。2位の外崎修汰(西武)の+15.8に大きな差をつけている。守備範囲と強肩のなせる業だ、
またヤクルトの長岡秀樹内野手もこの「UZR」が+9.4。遊撃手に限れば源田壮亮内野手(西武)の+14.0に次ぐ12球団2位で、セ・リーグでは中野拓夢内野手(阪神)の+3.4の3倍近い数値でトップを走る。打撃も規定打席に達し打率.246。優勝間近のチームで確固たる存在となった。そして長岡も岡林もドラフト5位指名で、スカウトの慧眼が光る。
12試合に登板して6勝3敗、防御率2.93の成績を残している西純矢投手(阪神)は、打撃でも5月18日のヤクルト戦(神宮)でプロ初本塁打を放った。入団直後に右ひじの手術を受け、一時は育成契約となった堀田賢慎投手(巨人)も8試合に登板し2勝3敗の星を残している。
一方で、昨季チームトップタイの9勝を挙げ、日本一にも貢献した奥川恭伸投手(ヤクルト)は今季、1軍登板が1試合にとどまっている。昨季リリーフで39試合に登板した及川雅貴投手(阪神)も、今季の1軍登板は1試合だけだ。3球団競合の末に中日入りし、今季はプロ初を含む5本塁打している石川昂弥内野手も、右膝の故障で戦線離脱。37試合で打率.225という成績だ。
この世代の競争が激化するのは、まだまだこの先。現役を退く日にはそれぞれ、どのような数字を残しているだろうか。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。