WBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ ボクシングのWBOアジアパシフィック(AP)・スーパーライト級…

WBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ

 ボクシングのWBOアジアパシフィック(AP)・スーパーライト級(63.5キロ以下)タイトルマッチが13日、東京・後楽園ホールで行われ、王者・平岡アンディ(大橋)が挑戦者アルビン・ラガンベイ(フィリピン)に2回2分27秒TKO勝ちした。日本同級王座も保持しながらWBO・AP王座3度目の防衛に成功。前回の試合中に“踊り”を披露したことを猛省し、冷静に戦いながら強さを見せた。戦績は26歳の平岡が21勝(16KO)、27歳のラガンベイが13勝(11KO)6敗1分け。観衆は968人。

 平岡は勝利の喜びよりも先に感謝を口にした。2回TKO直後のリングインタビュー。「まずは試合を実現させてくれた大橋(秀行)会長、フィリピンから日本まではるばる来てくれたラガンベイ選手、陣営の方々、そして多くのファンの皆様、今日は本当にありがとうございました」。リングから頭を下げると、大きな拍手が注がれた。

 強打のサウスポー同士の対決。平岡は初回からジャブで積極的に攻め、左も当てた。2回は相打ちを狙う挑戦者を警戒しながら、強打をお見舞い。ロープ際でラッシュを浴びせ、最後は左をぶち込んだ。相手がグロッキーになったところでレフェリーストップ。最初は派手に喜ぶのを控えるかのように呼吸を整えたが、日々の練習が実を結び、数秒後に絶叫した。

「前回、ちょっとタコ踊りをしてしまったので……(笑)。自分は本当にふざけたつもりはなかったけど、初めて見た人にそういう印象を与えてしまった。今回は緊張感を持てるような試合をしたいなと思っていたのでよかったです。本当に会長にいろんなスパーリングパートナーを呼んでいただいたおかげです」

 6月7日の前戦を猛省した。同門の井上尚弥とノニト・ドネア(フィリピン)の世界バンタム級3団体王座統一戦の前座。1万7000人の大観衆に楽しんでもらうつもりで、一方的な展開の中で踊ってみせた。しかし、相手への挑発ポーズだと誤解を招く結果に。6回TKO勝ちで日本王座2度目の防衛に成功したが、大目玉をくらった。

トレーナーの父「お客さんがよければ一番なんだから」

 ガーナ系米国人の父、ジャスティス・コジョ・トレーナーが独特な表現を交えて明かす。

「怒りました。(前回は)押せと言ったけど、本人はたくさんの人が見ているので長いラウンドをしたいと思っていた。でも、ファンはそうじゃなくて、『遊んでいる』という意見。自分の好きな音楽もいいけど、ファンの方が好きな音楽をやらないといけない。自分のボクシングをやれなかったとしても、お客さんがよければそれが一番なんだから」

 平岡も「決して相手を馬鹿にするという意味でやったわけじゃないんです」と説明。この日は真剣勝負で実力差を見せつけ、観衆を喜ばせた。普段は厳しい父も「結構よかった。勝ったからではなく、練習でやったことができたから点数は高い」と及第点。大橋会長も「今日は一番よかった。相手は相打ちの一発があるので、久々にボクシングの醍醐味、迫力のある試合」と評価した。

 米興行大手・トップランク社とプロモート契約した2019年秋と20年秋に米ラスベガスで連続KO勝ち。近い将来の世界挑戦を目指す中、現在の世界ランクはIBF9位、WBO13位としている。陣営は年内に日本でもう1試合挟み、来年の海外リングを見据える。今年は4試合になる見通しだ。

 世界では猛者の多い階級。平岡はさらなる強さを求めていく。

「(年間4試合目の)チャンスをいただけるのはありがたい。持っている全てのパンチを磨きたいです。2ラウンドで終わったので、早めにランニングから始めていこうと思います。またラスベガスで試合をしたい。そこまでに自分の底上げをしたいです」

 取材エリアから去る際、報道陣にまでエレベーターを譲り「遅くまでありがとうございました」とお辞儀していた。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)