レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ内野手が29日(日本時間30日)のレイズ戦で故障者リスト(DL)から復帰した。右ふくらはぎ痛で開幕からDL入りしていたが、今季初出場で1安打をマーク。30日(同31日)も1安打を放ち、メジャー通算2944…

レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ内野手が29日(日本時間30日)のレイズ戦で故障者リスト(DL)から復帰した。右ふくらはぎ痛で開幕からDL入りしていたが、今季初出場で1安打をマーク。30日(同31日)も1安打を放ち、メジャー通算2944安打として、史上31人目の3000安打まで56本とした。

■復帰のベルトレ、通算3000本&今季中の現役最多安打“イチロー超え”も

 レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ内野手が29日(日本時間30日)のレイズ戦で故障者リスト(DL)から復帰した。右ふくらはぎ痛で開幕からDL入りしていたが、今季初出場で1安打をマーク。30日(同31日)も1安打を放ち、メジャー通算2944安打として、史上31人目の3000安打まで56本とした。

 再び離脱することがなければ、今季中の大記録達成は確実。そして、その先に視野に入るのが、“イチロー超え”の現役トップ浮上だ。昨季、史上30人目の通算3000安打を達成したイチロー外野手(マーリンズ)は、現在3041安打。その差は現地29日時点で「97」となっている。

 歴代6位の通算3465安打を誇っていたデレク・ジーターが2014年限りで、現役引退し、通算3115安打のアレックス・ロドリゲス(元ヤンキース)も昨季ユニホームを脱いだため、イチローは現役トップに立っていた。27歳でメジャーデビューし、今年17年目のシーズンを迎えている43歳が1位に立っていることはまさに“偉業”だが、20年目のベルトレが猛追している。

 19歳でメジャーデビューし、今年4月に38歳となったベルトレは、全く衰えを見せていない。メジャー通算445本塁打、1571打点を誇る強打者は、2013年に自身初のリーグ最多安打となる199本をマークすると、その後も178安打(14年)、163安打(15年)、175安打(16年)と安定してヒットを積み重ねてきた。12年の194安打も含めて、最近5年でシーズン平均181安打を放っている。

 今季は開幕から51試合を欠場。レンジャーズが111試合を残した段階での復帰となったが、ベルトレが怪我の再発などがなく最近5年間の平均ペースでヒット数を積み重ねれば、今季は124安打となる。あくまで予測だが、開幕前の2942安打と合わせて、シーズン終了時には3066安打まで積み上げると算出できる。

■イチローが復調すれば今季中のトップ維持は確実も…

 一方、現在3041安打のイチローは出場機会が極端に少ないこともあり、今季はまだエンジンがかかっておらず、開幕50試合消化時点でわずか11安打の打率.169。シーズン162試合に換算すると、35安打ペース。開幕前時点の3030安打と合わせて、3065安打となる。

 当然、イチローがこのままの打率でシーズンを終えることは考えづらい。イチローのシーズン最低安打数は15年の91本。今後、状態を上げてくれば今季中は1位の座を維持することになるだろう。

 一方で、負傷をしっかりと治して、心身ともに“リフレッシュ”してシーズンに入ったベルトレが、例年以上のペースで安打を放つのか、それとも上手く波に乗れずに低調に終わるのかは分からない。ただ、開幕直後の低迷から脱しながら、その後もやや不安定な戦いを続けるレンジャーズをプレーオフ進出に導くため、精神的支柱でもある主砲がここから打棒を発揮する可能性は十分にあるだろう。

 通算3000安打を達成すれば、ベルトレも米国野球殿堂入りはほぼ確実となる。ベルトレの方が6歳若く、4番手外野手としてチームを支えるイチローとは異なり、まだチームの主力として活躍していることから、いずれは現役トップに立つことになるだろう。将来の殿堂入り選手2人が今季中にどこまでヒット数を積み重ねるのか、注目が集まるところだ。