19歳133日で日本女子プロ選手権最年少V、応援した両親が語った快挙までの過程 女子ゴルフの国内メジャー・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日が11日、京都・城陽CC(6555ヤード、パー72)で行われた。4打差4位から出た地元・京都出…

19歳133日で日本女子プロ選手権最年少V、応援した両親が語った快挙までの過程

 女子ゴルフの国内メジャー・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日が11日、京都・城陽CC(6555ヤード、パー72)で行われた。4打差4位から出た地元・京都出身の19歳ルーキー・川崎春花(フリー)が1イーグル、6バーディーの64で回り、通算16アンダーで逆転優勝。2014年の鈴木愛(20歳128日)を上回り、大会史上最年少となる19歳133日で優勝となった。予選会から出場したシンデレラガールは、ツアー初Vで国内メジャーを制覇。コースで応援していた両親も喜び、快挙までの過程を語った。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

 優勝が決まり、クラブハウスから出てきた川崎は、母の雅子さんと笑顔でハイタッチをした。涙の抱擁はなく、雅子さんは「あっ、パパがいない。どこ?」と苦笑いした。

 表彰式は雅子さん、父の太郎さんがそろってグリーンサイドで見守った。

「まさかです。夢にも思っていなかったです。プロになってからはスイングで迷走して、腰も痛めて、3試合連続予選落ちをしたり、泣いているところも見てきたので、もう、言葉にできないです」(太郎さん)

 コースの城陽CCは昨年11月、最終プロテストで合格を果たした場所。1988年のツアー施行以降、初めて京都で開催された大会でもあり、太郎さんは「今日も運転しながら、『ここまで何回も来て合格したな~』と言って、思い出していました。なので、なおさらうれしいです」と実感を込めた。

 川崎が初めてクラブを握ったのは12年前の7歳の時だった。先に3歳上の姉・風花さんがゴルフを始めており、両親と姉の3人でラウンドする姿に影響されたという。そして、「プロになりたい」と言い出した川崎を太郎さんは全力でサポート。姉の指導をしていた国内ツアー通算29勝で京都在住の吉川なよ子に川崎のコーチもあおいだ。その後、ゴルフ練習器具開発者で神奈川在住の田所一郎氏に引き合わせ、プロテスト一発合格につなげた。

「(8月の)CATレディースで予選落ちした後、昔のいい時のスイングに変えてもらって、その翌週にいきなりステップ・アップ・ツアーで優勝することができました。私もアドバイスはしますが、全然聞いてくれません(笑)」(太郎さん)

川崎の素顔、父「細かいところに気づく」母「でも家ではボサッと」

 田所氏はこの日の朝、「最後まであきらめないように」と川崎にLINEメッセージを送っていた。

 序盤はバーディーパットがカップに蹴られていた川崎は「その言葉を8番のティーグラウンドで思い出しました。そしたら、第2打が直接カップに入りました」。その流れで、後半は6バーディーを奪い、30をマーク。鮮やかな逆転優勝を飾った。

 薬膳料理、発酵料理の講師を務めている雅子さんは、「食」で娘の健康を支えた。川崎も母の手料理が大好きで、会見で「今、何をしたいですか」と問われ、「母の作ったお味噌汁を飲みたいです」と答えた。

「今週は自宅から通える大会なので、体調に合わせてメニューを考えていました。今夜は外で焼き肉を食べますけど(笑)」(雅子さん)

 娘の素顔について、太郎さんが「細かいところに気づくタイプ」と言うと、雅子さんは「でも、家ではボサッとしていたりしますよ」とオチをつけた。川崎の快挙は、陽気で愛情にあふれる両親と成し遂げたものだった。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)