【第38回共同通信社杯G2・特集】石原颯×町田太我(特別インタビュー)第38回共同通信社杯G2が9月16日から19日に、名古屋競輪場で開催されます。若手の登竜門とも呼ばれる共同通信社杯を前に、今回はチャリレンジャーから、期待の新鋭レーサーで…

【第38回共同通信社杯G2・特集】
石原颯×町田太我(特別インタビュー)

第38回共同通信社杯G2が9月16日から19日に、名古屋競輪場で開催されます。若手の登竜門とも呼ばれる共同通信社杯を前に、今回はチャリレンジャーから、期待の新鋭レーサーである石原颯選手(S1・香川117期)と町田太我選手(S1・広島117期)が、特別インタビューに登場。競輪界を賑わす117期のお二人が、同期ならではのトークを繰り広げます__。

***************


パーフェクタナビ編集部(以下、編集部)「最初に今年ここまでの競走を振り返っていただきたいのですが、まず、町田選手からお願いします」

町田「そうですね。自己評価は可もなく、不可もなくという感じですね」

編集部「一方の石原選手は、高松宮記念で落車して負傷もありました……」

石原「はい。僕も振り返ると、可もなく不可もなく。ケガ(骨折)もあったので、あまり良くなかったかなとは思っています」

編集部「昨年からお二人とも、ビッグレースへの参加が増えていますが、経験して感じるところは?」

町田「ビッグレースは本当に強い人が多いので、勝ち上がりが厳しくて……。思った通りの走りができていないですね。すんなり自分の展開にできればよいのですが、最近は、そういう展開にさせてくれなくもなってきているので。そこに壁を感じています。脚力も落ちてきているのかなと感じているときもあるし、そこまで成長が感じられないです」

石原「僕はビッグレースでは、メンタルがしんどいです。勝ち上がれなくて、ダメか……となってしまうので」

編集部「石原選手はレース的にも、そんなメンタルが弱いイメージがなかったのですが」

石原「それが、弱いんですよ」

町田「え! 弱くないでしょ。いつもニコニコしているし、負けた時も、すぐに開き直っています」

編集部「負けた時は、意外と裏で傷ついている?」

石原「そうなんですよ。だから弱いです! 僕もそこまで成長できていないのかなとは思いますが、場慣れはしてきたとは思います」

町田「自分も場慣れはしてきています。昨年よりは、ビッグレースの雰囲気にも、だいぶ慣れてきていると思います」

※共同通信社杯のイメージは?
2ページ目へ→


編集部「では、ここからは本題の共同通信社杯についてお聞きします。若手選手が多く参戦するG2レースですが、開催のイメージはいかがですか?」

石原「昨年、初めて出たのですが、落車してしまったので、ちょっと嫌な思い出しかないですね(苦笑)。でも、開催自体は若い選手が多いので、楽しく走れたと思います。自動番組もけっこう楽しみでした。普段のレースではラインを組まない選手とも走れますから。やりにくさもなかったです」

編集部「町田選手は今回が初参戦になります」

町田「共同通信社杯は、若手の登竜門というイメージ。自動番組で他地区の選手の方がつく可能性もあるとのことなので、僕も楽しみです。初連携する可能性もあるので」

編集部「昨年の共同通信社杯では、同期の山口拳矢選手が優勝されました。当時はその優勝をどう受け止めていましたか?」

町田「テレビで見ていたのですが、感動しましたね。しかも、拳矢さんは地元開催(岐阜)でもあったので、素直に『おめでとう!』という気持ちでした。ビッグレースを獲るということは、自分の中では、夢のまた夢だと思っているので、ジェラシーもなかったです」

石原「素直にすごいと思いました。昨年の共同通信社杯は初めて落車した開催だったので、帰りの新幹線の中でレースを見ていたのですが、『おお!』という感じで、すごかったです。そこまで刺激を受けたわけではないですが、ビッグレースの決勝には乗ってみたいなという気持ちにはなりました」

編集部「今年の舞台は、名古屋競輪場です。名古屋バンクの印象を、石原選手から教えてください」

石原「名古屋はバンクが軽くて、タイムもけっこう出ていたと思います。重たくないので、走りやすいイメージでした」

編集部「町田選手は、初めてですよね」

町田「そうですね。名古屋は高速バンクのイメージがあって、癖がないバンクだと聞いています」

編集部「高速バンクは得意ですか?」

町田「……あまり好きじゃないかもしれないです。高速バンクだと、どうしても赤板から仕掛けてきて、ドンドン展開が早くなって、レースが激しくなることが目に見えているので」

石原「僕は、脚を使わずにスピードを上げていきたいので、高速バンクは好きかもしれないです! スピードに乗ってしまえばいいかなと思っています」

※共同通信社杯ではどんな走りを!?
3ページ目へ→

編集部「さて、やり取りを聞いているだけで仲の良いお二人ですが、練習も一緒にやる機会はあるのですか?」

石原「たまに、一緒にしますね」

町田「お互い行ったり、来たり。たまにしています」

編集部「そこでは、競輪の話もしたり?」

町田・石原「ないです(笑)!」

町田「ただの練習仲間というわけではなく、もちろん友達ではあるのですが、レースのことになると、『ああだ、こうだ』と言ったところで、お互いが聞かないと思うんですよね。だから、言わないんだと思います(笑)」

編集部「ビッグレースになると、同年代も少ないとは思いますが、一緒の開催ではどう過ごすのですか?」

町田「そこでは、ずっと話をしている感じです。でも、内容のない会話ですよ(笑)。プライベートのことだったり、お金のことだったり」

石原「そうですね(笑)」

編集部「お互いのレースは見ますか?」

町田・石原「必ず見ます!」

町田「それで(着外に)飛んだら、お互いイジリます。でも、勝ったら何も言わないかも(笑)」

石原「そうですね(笑)」

編集部「(笑)。では、共同通信社杯に向けて、どう過ごしていきますか?」

町田「ここ最近は、8月半ばよりだいぶ涼しくなってきているので、朝から昼までしっかり練習して、量も増やしていきたいという感じです」

石原「僕もしっかり練習して、頑張りたいと思います!」

編集部「どんな走りを見せたいですか?」

町田「しっかり4日間、バックを取れるような走りをしたいと思います!」

石原「それでは、僕はホームとバックを取れるように、4日間頑張りたいと思います!」

町田「えっ! では、訂正します。ジャンとホームとバックを4日間、取れるように!」

石原「それなら僕はSも取ります!」

編集部「ありがとうございました(笑)! 共同通信社杯でのご活躍、期待しています!」

***************
【選手プロフィール】


石原颯選手(香川117期)

1999年12月4日生まれ(22歳)。養成所順位は28位。2020年5月に第117期生として広島競輪場でデビューすると、21年1月にS級特別昇級。同5月に久留米F1でS級初優勝を達成。同12月にはヤンググランプリ2021に出場。今年も2月奈良、6月取手で記念優出、高松宮記念杯ではG1初の準決勝進出を果たしている。



町田太我選手(広島117期)

2000年7月8日生まれ(22歳)。養成所順位は11位。2020年5月に第117期生として広島競輪場でデビュー(同初優勝)。20年12月にS級特別昇級すると、21年1月に小倉F1でS級初優勝、さらに同6月には松山でG3初優勝を逃げ切りで果たした。昨年末にはヤンググランプリ2021に出場。今年も3月平塚、6月広島でF1を2回優勝。通算100勝まで、あと5勝に迫る。