昇格即、8月5日以来の1軍登板で1回1安打無失点で7セーブ目■西武 3ー2 ロッテ(6日・ベルーナドーム) 西武の平良海…

昇格即、8月5日以来の1軍登板で1回1安打無失点で7セーブ目

■西武 3ー2 ロッテ(6日・ベルーナドーム)

 西武の平良海馬投手は6日、本拠地ベルーナドームで行われたロッテ戦で約1か月ぶりに出場選手登録された。早速3-2と1点リードした9回に登板して1回1安打無失点で今季7セーブ目(1勝3敗)を挙げた。奇しくもこの日、リーグトップの29セーブをマークしている守護神・増田達至投手が、近親者に新型コロナウイルス陽性者が出たため「特例2022」で登録抹消。チームの危機に帰って来た“海馬神”が、残り17試合で3年ぶりのリーグ優勝へ導くか。

 ブランクを全く感じさせなかった。もっとも、ブランク云々を言っている場合でもない。平良は先頭の代打・角中に中前打を浴びたが、続く松川には送りバントを許さず、スリーバント失敗。代打・レアードは全3球直球で右飛に仕留め、最後は荻野にスライダーをミートされたものの、三直でしのぎ切った。MAX157キロも計測。「少しお休みをいただいて、パワーがあり余っていました。自分なりに迫力のある投球ができました」と頼もしい。1軍登板は8月5日のロッテ戦以来。右手中指痛を訴えて同10日に抹消され、2軍で慎重に調整してきた。

 辻発彦監督は「プラスに考えることが、実際にプラスにつながると思う。増田がこういう形になった時に、平良が上がってきた。そのタイミングもね」と自分に言い聞かせるように話し、「平良はやっぱり力がある。安心して見ていられる」とうなずいた。

平良を筆頭に水上、本田らリリーフ陣は防御率1点台がズラリ

 辻監督が「抑えは経験した者じゃなきゃ、なかなかできない。並大抵の心臓ではない」と称賛する増田の離脱が、痛いのは間違いない。それでも、入れ替わるように平良が帰ってきたことは大きい。同時に、肩の張りで抹消されていた中継ぎ左腕・佐々木健投手も1軍復帰した。

 そもそも、今季の西武リリーフ陣は質、量ともに充実している。6日現在、51試合に登板して防御率1.66の平良を筆頭に、水上由伸投手が54試合1.56、本田圭佑投手が40試合1.83、森脇亮介投手が35試合1.41、佐々木も34試合1.65と防御率1点台がズラリ。来日1年目のバーチ・スミス投手も13試合2.73で、最近セットアッパーを務めている。この日、8回2死三塁のピンチには左腕・公文克彦投手がワンポイントで登場。左打者の安田を外角低めのスライダーで空振り三振に斬って取った。こちらは今季11試合無失点を続けている。各投手が実力を発揮すれば、増田の穴を埋めることも不可能ではなさそうだ。

 西武は首位ソフトバンクにゲーム差0(勝率1厘差)の2位につけ、勝負はいよいよこれから。平良は約1か月の不在を経てもなお、同僚の水上に次いでリーグ2位の51試合に登板し、リーグトップの30ホールドをマークしている。それほど離脱前には過度の負担がかかっていたとも言える。辻監督が言う通り、ここは必要不可欠の休養を取り、満を持して抑えのポストに就いたと「プラスに考える」べきなのだろう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)