和田が5回2失点と好投するとリリーフ陣も無失点リレー■ソフトバンク 4ー2 楽天(6日・PayPayドーム) ソフトバン…

和田が5回2失点と好投するとリリーフ陣も無失点リレー

■ソフトバンク 4ー2 楽天(6日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは6日、本拠地PayPayドームで楽天と戦い、4-2で競り勝った。3回に柳田悠岐外野手の適時打で勝ち越すと、4回には三森大貴内野手の2点適時三塁打でリードを拡大。先発の和田毅投手が5回2失点と役目を果たし、6回からはリリーフ陣が無失点リレーで繋いだ。西武、オリックスと3チームがゲーム差なしで並ぶ大混戦の中で首位の座を守った。

 初回に和田が浅村にソロを浴びて先制点を奪われたが、すぐさま試合を振り出しに戻した。その裏、この日1軍に復帰したばかりの周東が中前安打で出塁。三森も中前安打で続き、デスパイネの遊ゴロの間に追いついた。

 3回には1死一、三塁のチャンスで主砲の柳田が勝ち越し打。4回には2死一、二塁で三森が中堅の頭上を破る2点適時三塁打でリードを広げた。和田は5回に2点目を失ったが、5回2失点でリードを守ったまま降板。6回からは泉、嘉弥真、松本、藤井、モイネロと鉄壁のリレーで逃げ切った。

 浅村のソロで先制された和田だったが、2回以降は粘り強い投球を見せた。5回には炭谷、マルモレホスの連打、西川の犠飛で1点を失ったものの、最少失点で切り抜けた。リリーフ陣も危なげのない投球。藤本博史監督も「安心して見ていられました」と目を細めた。

9イニングで1度も出塁させなかった先頭打者

 中盤以降はピンチらしいピンチもなく、楽天打線を封じ込めていったソフトバンク投手陣。この試合は、接戦を制するための“勝負の鉄則”とも言えるポイントがあった。

 この日、ソフトバンク投手陣が出した走者は5人だけ。ソロが1本、単打が3本、そして味方の失策が1個。全ての走者が1死か2死から出たもので、イニングの先頭打者は9イニング全てでアウトに斬って取った。四死球もなく、無駄な走者を一切出さなかった。

 対照的に、攻撃では得点を奪った初回、3回、4回のうち、初回は周東が中前安打、4回はグラシアルが四球を選び、それぞれイニングの先頭打者が出塁して、得点に繋がった。先頭打者の出塁が、やはり大きく勝負を分けることになる。

 藤本監督もこの点を高く評価していた。「素晴らしいんじゃないですかね。大体、先頭を四球で出したりしたら得点になるっていうケースが多いんで。そこは本当によかったと思います」。リーグワーストの404四球を与えているソフトバンク投手陣。無駄な走者を出さない、先頭打者を出塁させないことが勝利に近づく一因であることはこの日の試合が証明している。

 ある意味、勝ち方の“お手本”のような一戦。ソフトバンクが2年ぶりの優勝を掴むためには、こういった勝ち方、戦い方を多く積み重ねていく必要があるだろう。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)