投球分析家ロブ・フリードマン氏「えげつないターボシンカー」 今季、投手としても勝利数、投球回などでキャリアハイの成績を残…

投球分析家ロブ・フリードマン氏「えげつないターボシンカー」

 今季、投手としても勝利数、投球回などでキャリアハイの成績を残しているエンゼルスの大谷翔平投手。9月3日(日本時間4日)のアストロズ戦では今季最多の111球を投げ、8回1失点と好投した。開幕時には投げていなかった新しい変化球「シンカー」を「ピッチング・ニンジャ」として知られる投球分析家、ロブ・フリードマン氏が分析し「ターボシンカー」と表現している。

 米メディア「FOXスポーツ」が伝えたもの。「彼のえげつないシンカーを分析する」との見出しで新球に触れたフリードマン氏は「オオタニが常に向上していることの好例は、シーズン半ばにいきなり加えた、えげつない“ターボシンカー”だろう」と紹介している。

 このボールは、8月に入ってから徐々に投げる機会が増えてきた。9月3日(同4日)のアストロズ戦では、111球のうちシンカーが18球。3回にマコーミックに対して投じた1球は、横方向に21インチ(約53.3センチ)変化し、球速も99.7マイル(約160.5キロ)を計測している。

 驚異の変化を見せるボールを、シーズン中に投げ始めてしまったことにはフリードマン氏も「ほとんどの投手が、新球種を仕上げるのにオフシーズンまで待つところを、オオタニはシーズン半ばにシンカーを加えた」と驚く。さらに「オオタニは人間離れした身体能力を持つだけでなく、意のままに自身の球種を増やすこともできるのだ」と器用さを伝えている。

三塁方向へ鋭く曲がるシンカーは、スライダー、スプリットをより効果的に

 大谷は時速100マイルのストレートに加えて、今季の空振り率が49%に達するスプリット、40%前後のスライダーの他にも、カーブ、カットボールを操る。MLB公式サイトによると、今季の大谷のスライダーは平均で14.1インチ(約35.8センチ)変化しており、それと逆方向に50センチも変化するシンカーは打者にとっては脅威。ストライクゾーンをより広く使えることにもつながる。

 フリードマン氏は「私が一番感心するのは、常に進化する彼の投手としての能力だ。多くの偉大な選手と同様に、彼は決して満足することがない。常に打者の一歩先を行けるよう、自身の武器に磨きをかける方法を探している」と向上心の高さについても称賛した。

 最後には「個人的には、オオタニに不可能はないと思っている。彼にとってはまるで野球がビデオゲームで、新たなスキルを意のままに加える権限を自身が持っているかのようだ」と締めくくった。(Full-Count編集部)