4月10日からモナコ・モンテカルロで開幕の「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/クレーコート)。 日曜日に行なわれた決勝で、ラファエル・ナダル(スペイン)がガエル・モンフィス(フランス)を7-5 5-7 6-0で下し…

 4月10日からモナコ・モンテカルロで開幕の「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/クレーコート)。

 日曜日に行なわれた決勝で、ラファエル・ナダル(スペイン)がガエル・モンフィス(フランス)を7-5 5-7 6-0で下し、今大会では9度目の優勝を果たした。

 ナダルは今大会での5試合で47度のブレークピンチに面したが、それを跳ね退けての優勝だ。彼のカムバックの兆しと見ていいだろう。

「今週は、難しい状況になったときに、自分のレベルを上げられた。前みたいにね」とナダル。「なんだかすごく久しぶりという感じだったよ」。  今大会でのナダルは13度サービスゲームを落としていて、苦戦したと言えるかもしれない。

 5度のブレークを乗り越えて、2012年大会以来となる優勝を果たしたナダルは、ATP1000マスターズ大会の優勝回数を28回とし、再び・ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と並んで最多タイとした。

 最後は素晴らしいフォアハンドのウイナーを決めて試合に勝利したナダルは、その場に両膝をついて沈み込んだ。2014年の全仏オープンを制して以来、もっとも大きなタイトルでの優勝で、マスターズ大会では同年のマドリード大会以来の優勝だ。

「僕にとってはとても重要な意味を持つ1週間だった」とナダル。「この勝利で僕がよくなってきているのを確認できた」。

 だが、ナダルは我を忘れたわけではない。彼は2013年以来となる9度目のバルセロナの大会での優勝を見据えている。決勝進出を果たしたのもこの年が最後だ。

「来月にどうなっているかというのが楽しみだ。でも、僕は今の瞬間を楽しむ必要があるんだろうけどね」とナダル。「バルセロナのことは、明日から考え始めることにするよ」。

 ナダルにとっては今季初優勝。昨年はわずか3つのタイトルに終わっていて、彼は自信を失っていた。

 昨年の全仏オープンでは準々決勝でジョコビッチに敗れ、スタン・ワウリンカ(スイス)はローマのマスターズの準々決勝でストレートでナダルを破っていた。また、アンディ・マレー(イギリス)はマドリードで6-3 6-2でナダルを下し、ジョコビッチは今大会の準決勝で6-3 6-3でやはり勝利していた。ファビオ・フォニーニ(イタリア)にもリオデジャネイロとバルセロナの2度に渡って敗れたいたのがナダルだった。

「去年は、タフな年だったよ」と5位のナダルは言う。「ナーバスにもなった。試合に入ってもずっと心配だった」。

 モンフィスを2時間46分の試合で下して優勝したナダル。モンフィスはこれまでナダルからクレーでセットを奪ったこともなく、13試合を戦って11度破れていた。

「彼は激しさを増し、プレーを変えて来た」と第13シードのモンフィスは言う。中でも第3セットについては「単純に僕が答えを見つけ出せなかったという感じだね」と話している。

 両者を合わせて34度のブレークポイントがあったこの試合。モンフィスはサービスゲームを8度落として、ナダルは68度目の優勝、100度目の決勝で勝利した。また、クレーでの優勝は昨年8月のハンブルクの大会以来だった。

 同じ29歳同士だが、これまでの二人のキャリアは対称的で、モンフィスはランク外というキャリアだった。

 初めて両者が対戦したのは11年前の今大会ての2回戦のことだったが、ナダルは14度のグランドスラム優勝を果たし、モンフィスにはまだマスターズ大会でのタイトルすらない。

 過去4度のクレーでの対戦でのモンフィスは、ナダルから1セットで3ゲームより多くのゲームを取ったこともなかった。

 この試合でのモンフィスは大番狂わせを演じそうだった。とてつもなく強力な強さで、ものすごい角度をつけたウイナーを奪っていたからだ。

「ガエルのポテンシャルはすごく高く、彼は何でも最高のレベルのものを持っている」とナダル。「サービスはいいし、動きも信じられないレベルだ。スーパー・クイックと言っていい」。

 だが、24度目の決勝進出で19敗目となったモンフィスにとって、今回が3度目のマスターズでの決勝進出だった。内2度はパリのマスターズでのものだ。彼はナダルが36本だったのに対して、51本のアンフォーストエラーと7度のダブルフォールトをおかしたことを悔やむだろう。ナダルのダブルフォールトは4度だった。

 全仏オープンまであと6週間。ナダルはさらにサービスをよくする必要がある。

 第1セットでは5-3とした自分のサービスゲームで、ダブルフォールトなどでセットを終わらせられなかったナダル。対して4本のセットポイントをしのいでいたモンフィスは、最後はダブルフォールトでセットを落とした。

 第2セットでのモンフィスは、先にブレークに成功して2-1とリードした。さらに次のゲームでは0-40とされながらもキープして3-1とリードを広げた。

 ナダルのサービスゲームでは、モンフィスが素晴らしいフォアハンドのダウンザラインのウイナーを決める場面もあった。

 3-3とナダルが追い付いたあと、モンフィスが再びブレークに成功して4-3となった。

 ファンには息を飲むような面白い試合になったはずだが、戦う両者にとってはフラストレーションがたまる展開だっただろう。

 第3セットではナダルは顔の汗を拭いていたが、モンフィスはそれ以上に消耗していた。第3セットはわずか30分で決着してのナダルの勝利だった。(C)AP

Photo:MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 17: Rafael Nadal of Spain celebrates victory in the singles final match against Gael Monfils of France during day eight of the Monte Carlo Rolex Masters at Monte-Carlo Sporting Club on April 17, 2016 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Michael Steele/Getty Images)