(C)Getty Images 大衆ジャーナリズムの「常識」が覆りつつあります。 昭和の時代から夕刊紙--東京スポーツ、日刊ゲンダイ、夕刊フジの3紙は辛口の論調で知られ、帰宅時のサラリーマンの友として、仕事で疲れた心身を癒やしてきま…

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 大衆ジャーナリズムの「常識」が覆りつつあります。

 昭和の時代から夕刊紙--東京スポーツ、日刊ゲンダイ、夕刊フジの3紙は辛口の論調で知られ、帰宅時のサラリーマンの友として、仕事で疲れた心身を癒やしてきました。

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 メディア関係者は言います。

 「朝刊スポーツ紙とは一線を画した、厳しい筆致こそが夕刊紙の特徴です。東スポならプロレスに競馬、日刊ゲンダイは『反権力』、対する夕刊フジは『親安倍』とカラーも鮮明で、それぞれに熱心な読者がついている。しかし、いずれも問題点を激しく追及する姿勢は一貫しています」

 しかし、あるトップアスリートに対しては、持ち前の意地悪さが鳴りを潜めるというのです。

 それは誰か…羽生結弦さんです。

 前述の関係者は証言します。

 「日刊ゲンダイでは、2014年のソチ五輪の報道が今でも語りぐさになっています。完璧な演技を見せた羽生に、ゲンダイは『本紙もケチつけられず』という見出しで最高のエールを送ったのです。ゲンダイ側が自らのキャラクターを踏まえた上でのユーモアにあふれた見出しに、『ゲンダイにここまで書かせる羽生は凄い』と話題になった。羽生にとって、最高の偉業と言えるでしょう(笑)」

 ゲンダイだけではありません。これまで数々のスーパースターを遠慮なく「料理」してきたあの東スポですら、羽生の前には真っ当なジャーナリズムを展開してしまうのです。

 「東スポさんは今年5月、音声プラットホーム『Voicy』に参入も、なかなか再生回数が伸びずに苦しんでいたというのです。しかし8月12日、羽生さん独占インタビューのこぼれ話を披露したところ、通常の30倍近い再生回数を記録し、社内が驚愕したという話も聞いています。新規事業はどの業界も常にトライアル&エラーですが、この『結弦効果』がメディア各社に勇気を与えたことは間違いありません」

 東スポといえば、かつての松井秀喜氏、最近の斎藤佑樹氏など、スターの懐に上手く入り込み、独自のニュースで一面を飾ることで知られています。

 まさか羽生さんも東スポの「磁力」に吸い寄せられてしまうのか--。東スポ側としては、まずは売りものの『東スポ餃子』を美味しそうにほおばる羽生さんの写真を掲載したいことでしょうか。

 その姿が一面を飾る日を、心待ちにしたいものです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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