モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(4月10~17日/賞金総額378万8925ユーロ/クレーコート)。 金曜日に行われた準々決勝。ラファエル・ナダル(スペイン)が9度目の優勝に前進した。一方、彼…
モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(4月10~17日/賞金総額378万8925ユーロ/クレーコート)。
金曜日に行われた準々決勝。ラファエル・ナダル(スペイン)が9度目の優勝に前進した。一方、彼の最大のライバルの一人でもあるロジャー・フェデラー(スイス)は敗退。フェデラーがまだ獲得できていない、いくつかのタイトルのうちの一つが今大会のトロフィーだが、今回も届かなかった。
今大会では4度の準優勝で終わっているフェデラーだが、そこまで落ち込んでいる様子はなかった。彼にとっての優先事項は2ヵ月以上におよんだ手術によるツアー離脱からの安全な復帰だったからだろう。
ナダルはスタン・ワウリンカ(スイス)を6-1 6-4で下しての準決勝進出だ。準決勝ではアンディ・マレー(イギリス)と対戦する。フェデラーはジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)に6-3 2-6 5-7での逆転負けだった。フェデラーは第3セット5-4、ツォンガのサービスゲームの場面では15-30とリードして勝利まであと2ポイントまでこぎつけていたが、勝利には結びつけられなかった。
フェデラーにとっては、2月3日に左膝の半月板を内視鏡手術で治療してから初めての大会だった。
「いいプレーが続けてできていた。昨日と今日とね。今日は2時間10分いいプレーができた」とフェデラー。「緊張感のある試合をするというのはいいものだよ。自分の身体の具合にもいい感触を得られた」。
世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と全仏オープンのチャンピオンのワウリンカはともに敗退した。優勝候補を聞かれたフェデラーはナダルの名を挙げた。
「彼はクレーでは今なおビッグネームだと思うよ」とフェデラーはナダルについて話す。ナダルは今大会では2012年大会で優勝したのが最後になっている。
記録に関してはフェデラーも同意している。
ナダルはマレーに対して16勝6敗という対戦成績で、クレーでは6勝1敗。もう一方のベスト4であるガエル・モンフィス(フランス)とは11勝2敗で、クレーでは4勝0敗。ツォンガとは8勝4敗で、3年前の準決勝ではナダルが勝っていた。ナダルはその2013年大会の決勝でジョコビッチに敗れている。今年のジョコビッチは2回戦で55位のイリ・ベセリ(チェコ)に敗れてすでに大会を去っている。
優勝経験者同士の試合は一方的なものとなった。ナダルはワウリンカのサービスゲームを4度破り、11度目のベスト4進出を果たした。
「チャンスを握ったときには、ポイントをコントロールしようとしたんだ」とナダルは言う。
マレーはミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を6-2 6-0で下しての勝ち上がりだ。
「今日みたいなプレーができれば、僕にもチャンスがあると思う」とマレーは言う。マレーは2009年大会と2011年大会の準決勝でナダルに敗れている。当時のナダルは今大会を8連覇する途中だった。
マレーは昨年のマドリッドの大会の決勝では、ナダルを破って優勝している。彼にとってはクレーでのタイトル2つのうちの一つだった。
マレーは9度の全仏オープン・チャンピオンのナダルとの試合では忍耐力がカギになると話している。
「彼は嫌な位置からでもウィナーを狙ってくるんだ」とマレーは言う。この日のマレーはビッグサーバーのラオニッチに一度もブレークポイントを与えずに勝利していた。「そういうことを許さないようにプレーしないといけないんだ」。
ナダルはワウリンカに対してこれで15勝3敗の戦績とした。ワウリンカの挙げた3勝は、ここ5試合での対戦で挙げたものだった。
ナダルは3回戦のドミニク・ティーム(オーストリア)との試合では17本与えたブレークチャンスのうち15本をしのいでの勝利だったが、ワウリンカ戦では一度しか与えなかった。
ワウリンカは第1セット第5ゲームの時点でラケットを破壊し、観客から野次を受けていた。
また、ワウリンカはセンターコートの上にあるレストランからコートに入ってくる雑音にもフラストレーションを募らせているようだった。
「彼らが試合をたくさん見ているとは信じがたい。きっとみんなお酒をたくさん飲んで酔っぱらっていたんだろう」とワウリンカ。「いいプレーができないときには、試合に集中もできない。それにまた悩まされるんだ」。
ワウリンカが負けたあとのコートに立ったフェデラーは第8シードのツォンガを相手に17試合を戦って12勝の戦績で、この試合も勝ちそうな雰囲気だった。
だが、第3セット第10ゲームの接戦でサービスゲームをキープしたツォンガは、強力なスロトークでフェデラーから5度目のブレークを奪った。
ツォンガのサービング・フォー・ザ・マッチでは、フェデラーが先に2ポイントをリードした。だが、ツォンガが30-30とタイに戻すと、フェデラーが簡単なボレーをミス。フェデラーはイライラを隠せず、ボールを観客席に打ち込んだ。
最初のマッチポイントでフェデラーがフォアハンドをミスして、試合はツォンガの勝利で終わった。ツォンガにとってはフェデラーに対して6回目の勝利で、クレーでは2勝目となった。
だが、17度のグランドスラム・タイトルと88度のツアー優勝の経歴を持つフェデラーにとって、大事なことは健康状態を取り戻すことだ。
「今大会の時点でチャンスを逃したと言っても本当に大した問題ではない」とフェデラーは話している。
第13シードのモンフィスは、最後のセンターコートの試合でマルセル・グラノイェルス(スペイン)を6-2 6-4で下してのベスト4進出となっている。(C)AP