セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はアメリカの青少年スポーツが資金不足に陥っている状況の危険性を、その身をもって知っている人物だ。 火曜日に行われたスポーツ界の有名人たち、ジョン・グルードン、トム・ブレイディ(ここまでアメリカン・フットボ…

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はアメリカの青少年スポーツが資金不足に陥っている状況の危険性を、その身をもって知っている人物だ。

 火曜日に行われたスポーツ界の有名人たち、ジョン・グルードン、トム・ブレイディ(ここまでアメリカン・フットボール)、ミッシィ・フランクリン(水泳)、ジェシカ・メンドーサ(女子ソフトボール)、ロブ・マンフレッド(MLBのコミッショナー)、ティム・フィンシェム(PGAツアーのコミッショナー)などが集まったパネル・ディスカッションに参加したセレナは、予算の大幅な縮小によってアメリカの若者たちがスポーツに参加する機会が減っているとして、その問題に熱心に取り組みたいと話している。

 「カリフォルニアのコンプトン(セレナの出身地で、全米でも治安が最悪と言われるスラム街の一つとされる地区)ではたくさんの女の子たちがテニスをプレーしているのをみなさんは見たことがないでしょう。でも、ありがたいことに、私の両親は私たちを競技に参加させる機会をつくってくれた」とディックス・スポーティング・グッズ財団の開いたこのパネル・ディスカッションに参加したセレナは話した。財団は青少年スポーツの資金調達が困難になっていることの危機意識を高めるため、数百万ドルを投じる約束している。

 「残念ながら、そこにスポーツがあっても誰もがプレーに参加できているわけではありません。そこで、大事なことは私や私の姉(ビーナス)のように、そこに参加できるように変えていくことです。大会を回るのには安くないお金がかかります。道具を買ったり、レッスンを受けたりするのも同じです。でも、このスポーツ・マターのような団体がイニシアチブをとって救いの手を差し伸べれば、子供たちがスポーツを続けられる道を選べるようになると思います。それは人々にも広くスポーツの機会を与えることになると思います」。

 スポーツ・マターを通じて、ディックス・スポーティング・グッズ財団は青少年スポーツ界の予算不足に対してすでに2500万ドルを投入することを約束している。2年前の段階でディックス財団はスポーツ・エミー賞を授賞したドキュメンタリーを手がけるトライベッカ・デジタル・スタジオと、そのディレクターのジャド・エルリッヒと提携し、「We Could Be King」という予算の影響に焦点を当てた映画を製作。フィラデルフィアの2つの学区の予算不足の影響について訴えた。

 ディックス財団のエグゼクティブ・オフィサーのエド・スタック氏は、セレナをはじめとした各界のトップたちの呼びかけでこうした声がもっと大きく、そしてインパクトのあるものになってほしいと話している。

 「アメリカの大きな問題です」とスタック氏。「青少年スポーツの予算は何億ドルという単位で削減されてきました。そして、多くの子供たちがプレーできずにいるのです。こうした子供たちの行く末、そして属する社会、スポーツが与えてくれるチャンスをつくっていくことがとても大事なことなのです」。

 「スポーツは子供の頃の私にとってはすべてでした。私は人生の長さ、友情、チームワーク、協調性、勝利の方法、寛大さなどすべてをスポーツから学んだのです」とスタック氏。「スポーツなしでの人生など考えられません」。(C)AP