モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」( ATP1000/4月10~17日/賞金総額378万8925ユーロ/クレーコート)。 土曜日に行われた準決勝で、ラファエル・ナダル(スペイン)がアンディ・マレ…
モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」( ATP1000/4月10~17日/賞金総額378万8925ユーロ/クレーコート)。
土曜日に行われた準決勝で、ラファエル・ナダル(スペイン)がアンディ・マレー(イギリス)を2-6 6-4 6-2で下し、今大会9度目の優勝をかけた決勝に進んだ。
ナダルが決勝でガエル・モンフィス(フランス)を下すと、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に抜かれたばかりのマスターズ大会の最多勝記録「28勝」にふたたび並ぶことになる。
「今週は僕にとってとても重要なものになっている」とナダル。「ボールのスピードを上げて、少しコートの内側に入ってプレーするようにした。第1セットではアンディにポイントをコントロールさせてしまうことが多すぎたからね」。
モンフィスはジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)を6-1 6-3で倒しての勝ち上がりだ。モンフィスはツォンガのサービスゲームを6度破り、ナダルとマレーの試合の半分ほどの試合時間での快勝だった。
モンフィスがマスターズ大会で決勝を戦ったのはこれまでに2度あり、いずれもパリで準優勝に終わっている。最後に決勝を戦ったのは2010年のことだ。
「すごい試合になると思っている。そりゃもうとてつもなく大きな試合だ。僕は彼に悪いプレーをさせようとするか、蹴散らすようなプレーをしないといけないだろうね」とモンフィス。
今大会で優勝したフランス勢は2000年のセドリック・ピオリーンが最後で、ピオリーンが最後の決勝進出者でもある。モンフィスはこれまでナダルと13試合対戦して11度敗戦。そのうちの4敗はクレーでのものだ。「彼(ナダル)に勝つためには、たくさんのリスクを負わないといけない。そして、少しの運も必要だ」とモンフィスは話している。
マレーは56年ぶりとなるイギリス勢の決勝進出を逃し、クレーでのナダルに対しての2度目となる勝利も逃した。昨年のマドリッドのマスターズではマレーが6-3 6-2で勝利していた。
「いくつかショットをミスした。最高の選手相手にはチャンスを生かさないといけないんだ」とマレー。「それができなければ、どっちにしろ負けてしまうからね」。
マレーは第1セットを通じてサービスではナダルを圧倒してプレッシャーをかけていて、ドロップショットも効果的だった。だが、ナダルが第2セットの最初のゲームでマレーのサービスゲームをブレークするとそのまま流れをつかみ返し、勝利に結びつけた。
第3セットではナダルがサービスでリズムをつかんで2度のラブゲームでのキープがあり、最後は5本目のマッチポイントをものにして勝利した。
ナダルは2012年までは、今大会で8連覇を達成。そのあとは2013年にジョコビッチに決勝で敗れていた。今季はまだ無冠だ。通算で67を数える彼のクレーでのタイトルも昨年8月のハンブルクが最後で、決勝進出も今年1月以来。このときもドーハでジョコビッチに敗れていた。
サービング・フォー・ザ・マッチでのナダルとマレーは、お互いに何度かテンションの高いプレーを見せた。最初のマッチポイントから、5本目でナダルが勝つまでに10分間を要したゲームだった。
最後はマレーのフォアハンドのリターンがネットにかかっての決着だった。ナダルはこれでマレーに対する戦績を17勝6敗に伸ばした。クレーでは7勝1敗だ。
マレーは今大会の準決勝では、2009年と11年にもナダルに敗れていた。当時のナダルは議論の余地がないと言われるほどのクレーの王者だった。だが、そのあとのナダルは苦戦が続き、9度制した全仏オープン・チャンピオンの座も、昨年はスタン・ワウリンカ(スイス)に明け渡していた。
マレーは第1セットの4-2でブレークに成功。さらにその後は素晴らしいドロップショットを決めてセットポイントとした。最後はナダルのフォアハンドがネットにかかって、第1セットはマレーが取った。
大きなターニングポイントはナダルがブレークすれば4-3という場面でマレーが簡単なスマッシュをミスし、ナダルにダウン・ザ・ラインに返された場面だろう。ナダルは次のゲームで2本のブレークポイントをしのぎ、5-3とリードした。試合はスペクタクルなラリーの応酬で観客を魅了した。
第2セットはナダルがサービスをキープして奪い返した。第2セットのマレーのファーストサービスの確率はわずか39%。
第3セットの最初もナダルがマレーのサービスをドロップショットなどで破ってのスタートだった。また、ナダルの目にホコリが入り、しばらくプレーが中断するというアクシデントがあった。
「アンディのサービスゲームだったし、フェアなことではないから、僕はプレーを止めたくなかった」とナダル。「でも、どんどん見えなくなってきたから、チェアに戻って目を水で流さないといけなかったんだ」。
1-3とリードされたマレーは、主審と何度かもめ事を起こして落ち着きを失っていった。
マレーは自分のイライラについては、はぐらかそうとしていた。
「あの態度が結果にどの程度影響したかはわからないね」とマレーは話している。(C)AP