【明治安田J1リーグ 第26節 清水エスパルスvs柏レイソル 2022年8月20日 18:03キックオフ】 8分に幸先…
8分に幸先よく先制した清水だったが、決定機を多く作るものの追加点を奪えずに前半を終えると、ハーフタイムに柏が3人を交代。加えて、ネルシーニョ監督が左ウイングバックの戸嶋祥郎に「相手サイドバックの上下動にしっかりと対応する」「攻撃になったときに、サイドハーフのようにより高い位置を取る」と指示したことが見事にハマり、柏は攻守ともに格段に効率アップ。前半とは打って変わり、後半は柏が清水を苦しめ続ける展開となった。
それでも、清水の選手たちはボールに向かって行くことをやめずに柏のチャレンジを跳ね返し続け、権田修一の好セーブもありスコアは変わらない。
しかし、逃げ切りが現実味を帯びてきた90+4分、武藤雄樹がとうとうゴールネットを揺らして1-1。試合は引き分けに終わった。
FC東京とガンバ大阪に連勝し、一気に残留争いを抜け出せそうな強さを見せていた清水にとって、勢いが止まりそうな嫌な結末にも見える。
しかし、清水が再び下降線を辿るようには思えない、と感じさせる要素がいくつもあった。
例えば、ガンバ戦と同じくディフェンスラインがミスをせずに我慢強さを見せたことや、苦しめられていても攻撃に転じる姿勢を捨てることがなかったこと。
あるいは、ヤゴ・ピカチュウが連動の中で機能する場面が増えたことや、ガンバ戦に続き原輝綺がメンバーを外れた右サイドバックのポジションで起用された片山瑛一が攻撃でも積極的なプレーを出すようになったことなど。
全体の様子からも個々のプレーからも、チームの状態が明らかに上向いていることを感じさせられたが、キリがないので1人の選手に焦点を当て、2つだけ取り上げる。
■セットプレーが武器として成長している左サイドバック
焦点を当てる選手は左サイドバックの山原怜音。
取り上げる1つ目は、セットプレーが武器として成長しているということだ。
セットプレーのキッカーでもある彼は、この試合までのリーグ戦で6アシスト。しかし、浦和戦ではショートコーナーの受け手となってクロスを上げたアシストがあるものの、純粋なキッカーとしてのアシストはここまでなかった。
この日、ニアのチアゴ・サンタナに合わせるコーナーキックでセットプレーのキッカーとしてようやくアシストがついた山原は試合後「セットプレーは長い時間練習している」と語った。そう、セットプレーはゼ・リカルド監督が力を入れている部分だ。
指揮官は試合後「セットプレーはハードに準備してきた。それが形になって良かった。あのゴール以外でも、ゴールが決まってもおかしくないようなチャンスも作れたし、成長していると思う」とコメントしている。
乾貴士と松岡大起が山原と共にキッカーの位置に並んだり(小さくずらしたボールを山原がシュート)、ピカチュウのショートコーナーを山原がダイレクトで速いボールを入れたり(※浦和戦のアシストは一旦止めてから高いボールを蹴った)、とバリエーションが増え、それがゴールを脅かすレベルに達していた。
山原をはじめ質の高いボールを供給できるキッカーが豊富であり、サンタナ以外にも立田悠悟、鈴木義宜、片山瑛一らセットプレーでのターゲットも豊富な清水。「セットプレーによって決まるゲームも多いので、非常に重要なポイント」と語るゼ・リカルド監督のもと、終盤戦で更に強力な武器になっていくだろう。