CATレディース第2日 女子ゴルフの国内ツアー・CATレディース第2日が20日、神奈川・大箱根CC(6638ヤード、パー72)で行われた。4位で出た岩井千怜(Honda)は8バーディー、2ボギーの66で回り、2位と2打差の通算11アンダーで…

CATレディース第2日

 女子ゴルフの国内ツアー・CATレディース第2日が20日、神奈川・大箱根CC(6638ヤード、パー72)で行われた。4位で出た岩井千怜(Honda)は8バーディー、2ボギーの66で回り、2位と2打差の通算11アンダーで単独首位に浮上。史上3人目のツアー初優勝から2戦連続Vに王手をかけた。達成すれば最年少20歳1か月16日での快挙だが、重圧の中で淡々とプレーすることを宣言した。

 18番パー5。岩井は2メートルのパーパットをカップの真ん中から沈めた。グリーン周りでは、先にホールアウトしていた双子の姉・明愛(Honda)と父・雄士さんが拍手。岩井は「見に来てくれて、うれしかったです」と声を弾ませた。

 前日の67に続く66。ツアー初優勝を飾った前週のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント初日から5ラウンド(R)連続で60台をマークした。好調の要因は安定したショットとパット。特にこの日はパットが絶好調だった。

「長いのも短いのも良く入ってくれました。気を付けているのは、インパクトで緩まないことだけです」

 大半の選手は「このコースはアウトが易しく、インは難しい」と見ているが、岩井は後半だけで5バーディーを奪った。10番パー4では第3打を50センチにつけ、12番パー3ではグリーンエッジからピンまで15ヤードの第2打をパターで沈めた。勢いに乗って13番パー4、14番パー4でも1つずつスコアを伸ばした。

 15番パー5は、グリーン奥からのアプローチを寄せられずに1つ落としたが、16番パー4ではピン手前7メートルのバーディーパットをカップイン。瞬間、雄士さんは目を見開き、「何で入るんでしょうか。親の私にもわかりません」とつぶやいた。

 前週は吉本ひかるとの首位タイで最終日を迎えたが、今回は単独首位。西田智慧子(90年)、表純子(05年)に続きツアー史上3人目の初優勝からの連続優勝に、最年少で王手をかけた。だが、岩井は「意識しない」と貫いた。

「周りが伸ばしても淡々と自分のプレーをするだけだと思います。雨が降ったとしても条件は一緒ですし、その中でも見ている方々をワクワクさせるプレーをして、バーディーチャンスについたら全部決めるつもりでいきたいです」

最終日最終組の岩井「私もドキドキするとは思います」

 好調なプレーと充実したメンタル。この日は、「優勝したことで、ピンの位置などを怖がらずにクラブを振り抜けるようになりました」と振り返った。大会前、2週連続優勝を狙うことは考えていなかったというが、ツアー最終予選会(QT)の失敗で出場試合が限られた前半戦のことを思い、「伸び伸びプレーできている」と実感している。待ち時間には空を見上げて気持ちを落ち着かせ、鼻歌も歌ったという。

「今日は(TBS系連続ドラマ)『ドラゴン桜』に出てくるノリのいい曲を歌っていました(笑)」

 緊張はしないわけではない。2打差の2位にはツアー通算4勝の34歳・若林舞衣子(ヨネックス)がつけ、3位には同7勝の勝みなみ(明治安田生命)がいる。岩井にとっては、4度目の最終日最終組だが、勝とは3度目。その強さも感じている。

「勝さんはショットメーカーで、パッティングがものすごく上手な印象です。きっと伸ばしてきますし、私もドキドキするとは思います。でも、緊張するのは集中力があるということ。その中でどれだけ淡々と自分のプレーができるかを考えたいです」

 雄士さんがキャディーを務めた明愛も2アンダーの23位で予選通過。最終日も先にホールアウトする明愛、雄士さんの応援を受けながら、岩井は淡々と戦う。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)