張本智和(琉球アスティーダ/IMG)の5歳下の妹・美和は、わずか14歳にしてシニアで頭角を現し始めた。パリ五輪選考ポイントのかかった「TリーグNOJIMA CUP2022」<8月13、14日/トッケイセキュリティ平塚総合体育館>では、世界屈…

張本智和(琉球アスティーダ/IMG)の5歳下の妹・美和は、わずか14歳にしてシニアで頭角を現し始めた。

パリ五輪選考ポイントのかかった「TリーグNOJIMA CUP2022」<8月13、14日/トッケイセキュリティ平塚総合体育館>では、世界屈指のカットマン・橋本帆乃香(日本ペイントマレッツ/ミキハウス)に2回戦で敗れたものの、橋本に2ゲームを取られてからフルゲームまで巻き返す底力に会場の誰もが目を見張った。

 最近では国際大会でも、8月上旬のWTTコンテンダーチュニスで女子シングルス準優勝や兄・智和と初ペアを組んだ混合ダブルスで優勝するなど脚光を浴びる。

その急成長ぶりには国際大会で数々の輝かしい成績をあげてきた智和も「危機感を感じましたね」と舌を巻き、優勝したTリーグNOJIMA CUP2022決勝後にはこう語った。

「妹がシングルスで決勝に進出して嬉しい気持ちが90%、10%は自分も頑張らなきゃという危機感を与えてもらった。妹以上の結果を残さなきゃという刺激をもらいました」

 美和本人も国際大会の成績と経験が大きな自信に繋がっており、パリ五輪の選考レースに関しても、「ポイント的にいったらまだ下の方(12ポイント獲得で女子12番目)ですけど、もちろんパリオリンピックには出たいですし、ポイントも欲しい」と貪欲だ。

ただ、その一方では「今年は自分自身がどれだけ成長できるかを意識している」「まずはミスの少ない卓球を心がけている」など地に足をつけている。

 そんな美和のプレーの特長は手足の長さを生かした両ハンドのパワードライブとループドライブを織り交ぜたラリーの緩急、そして兄顔負けのブロック力だろう。

 ジュニアやホープス世代の育成に実績のある木下卓球アカデミーの渡邊隆司ゼネラルマネジャーも、「智和とよく似て圧倒的なブロック力はアドバンテージ。基礎力が高くミスが少ない」と評価する。

 体格にも恵まれ身長はすでに165cmある。今後、フィジカル面が充実してくれば、身長167cmで同じ中陣主体にプレーする早田に迫る存在になるだろう。

※カッコ内の表記は(Tリーグチーム/所属)

(文=高樹ミナ)