トヨタが開発した水素エンジン搭載のGRヤリスH2(トヨタ提供) 世界ラリー選手権に参戦するトヨタ自動車が今週末にベルギーで開催されるシリーズ第9戦「イープルラリー・ベルギー」に水素燃料で走る実験車両「GRヤリスH2」を競技開始前にテ…

トヨタが開発した水素エンジン搭載のGRヤリスH2(トヨタ提供)

 世界ラリー選手権に参戦するトヨタ自動車が今週末にベルギーで開催されるシリーズ第9戦「イープルラリー・ベルギー」に水素燃料で走る実験車両「GRヤリスH2」を競技開始前にテストカーとして走らせると発表した。

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 毎日1本のステージを走行する予定で、WRCでチャンピオン4度を獲得したラリー界のレジェンド、ユハ・カンクネン氏がステアリングを握る。

 水素エンジンは今年6月のスーパー耐久シリーズ「富士24時間レース」(静岡・富士スピードウェイ)で、モリゾウこと豊田章男トヨタ自動車社長と、同社のワークスチーム「トヨタガズーレーシングWRCチーム」を率いるWRC通算18勝のヤリ―マティ・ラトバラ・チーム代表がドライブした「GRカローラH2」に搭載されており、水素エンジン車の市販車化を目指した取り組みの1つという。

 ラトバラ代表も「GRヤリスH2の走りを見るのも楽しみ。私が章男社長と共に富士24時間レースに参戦したときもエキサイティングでしたが、今回は同じテクノロジーをラリーのステージで試すチャンス。本当は私自身が運転したかったのですが、ラリーに集中するためそれはできません。ユハ・カンクネンが、水素を燃料とするクルマをどのように運転するのか、とても楽しみです」とコメントした。

 トヨタ陣営ではカーボンニュートラル実現に向けた新たな取り組みとして、チームのサービスエリアでは、市販の水素燃料電池車「MIRAI」から供給されるエネルギーを使用するという。

6月の富士24時間レースに参戦したGRカローラH2(トヨタ提供)

 6月に行われた富士24時間レースの参戦会見でトヨタの執行役員を務めるガズーレーシングカンパニーの佐藤恒治プレジデントは開発の進捗(しんちょく)状況について「富士登山になぞらえると、4合目くらいまで来ている」と説明した。

 MIRAIのような水素燃料電池車と水素エンジン車では動力のコンセプトが異なる。燃料電池車は水素を空気中の酸素と科学反応させて電気を取り出し、発電した電気エネルギーを使ってモーターを回して走るが、水素エンジン車はガソリンと同じように水素を燃焼させてピストンを動かす内燃機関を搭載する。

 電気自動車を重視していた欧州の自動車メーカーも近年、水素エンジンの開発に取り組みだしており、ロシアのウクライナ侵攻の影響でエネルギー事情が変わりつつあることも一因となっているという。

 WRCも最高峰クラスが今季からハイブリッドエンジンを搭載する新規定「ラリー1」の車両に全面変更。それまでは純粋にガソリンエンジンの車両で争われており、F1や世界耐久選手権と同様に環境への配慮を意識したシリーズに改まった。

 イープルラリーを走ることになる〝水素エンジン・ヤリス〟は世界的にも大いに注目を集めている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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モータースポーツその他競技   2022.08.18 11:00

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