「全米女子アマチュアゴルフ選手権」の最終日が14日(日本時間15日)、米ワシントン州チェンバーズベイGC(6541ヤード、パー73 )で行われ、初出場の17歳・馬場咲希が、カナダのモネ・チャンを大会史上3番目の大差となる11アンド9(9ホー…

「全米女子アマチュアゴルフ選手権」の最終日が14日(日本時間15日)、米ワシントン州チェンバーズベイGC(6541ヤード、パー73 )で行われ、初出場の17歳・馬場咲希が、カナダのモネ・チャンを大会史上3番目の大差となる11アンド9(9ホールを残し11アップ)で下し、優勝を飾った。日本勢としては1985年の服部道子以来、37年ぶり2人目の快挙となった。米メディアが馬場のプレーについて大きく報じている。

◆馬場咲希が日本勢37年ぶり制覇「服部さんの次に名前を残せてうれしい」

■全米ゴルフ協会公式「サキの夏」と絶賛

決勝は36ホールで争うマッチプレー。馬場は出だし1番(パー5)でパーセーブ。対するチャンがボギーに終わり、まず1アップに成功。勢いに乗ると、その後のホールも次々制し、前半18ホールを終えた時点で7アップの大量リード。

約2時間半の休憩を挟んでスタートした後半、20、21ホール目を連続で落とし、5アップに詰め寄られたが、ここから再加速。22ホール目から6ホール連続で奪取し、勝負を決めた。11アンド9は、122回を誇る歴史ある大会で歴代3番目の大差だった。

全米ゴルフ協会公式Twitterは優勝が決まった瞬間、「スター誕生!」とつづり、勝負を決めた27ホール目のバーディーパットの映像とともに投稿した。同公式はそのほか、「今まで目にした中で最高のパフォーマンス」「サキの夏」などと記し、馬場の圧勝劇を祝福した。

■ドライバーの飛距離はトップ級

ラウンド中、「勝つ、勝つ、勝つ」と心で何度も唱え続けていたという馬場。目を引くのは、175センチという高身長と長い手足を生かした大きなスイングアーク。しなやかなスイングは力みがなく、それでいて飛距離が出る。平均270ヤードのドライバーショットは、プロにおいてもトップクラス。ロングドライブでチャンを置き去りにし、各ホールで優位に立った。その上、この日は小技も冴え、ショートゲームを攻略した。

敗れたチャンは「対抗しようとしたけど、サキのプレーはかなり驚くべきものだった。彼女はすべてのピンを狙い、すべてのパットを決めていた。それに匹敵するのは難しかった」と振り返り、脱帽した。

また、馬場のキャディーを務めたボウ・ブルシェート氏の存在も大きかった。同氏はチェンバーズベイで13年にわたるキャリアを持つベテラン。的確なアドバイスを贈り、傾斜のきついグリーン攻略などに貢献した。馬場も「もし、ボウさんがいなかったら勝てなかったと思う。アドバイス通りに打てばピンに寄っていったので、大きな助けになった」と感謝した。

■「モノが違う」とベテラン・キャディーも称賛

ブルシェート氏は馬場について、「練習で初めて見た時から、彼女は“モノが違う”と思った」と話し、ラウンド中も「彼女はミスをしてもすぐに立ち直る。彼女は冷静で落ち込まなかった。見ていてとても楽しいよ」と、メンタルの強さにも太鼓判を押した。

今回の優勝で、来年メジャー4大会の出場権を獲得した馬場。「米ツアーに出たいし、今はアメリカから帰りたくない」と笑った17歳。夢は当然、海外メジャー制覇。スケールの大きな新星が現れた。

なお、8月24日から開催される「世界女子アマチュアゴルフチーム選手権」への出場も決まっている。

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文●SPREAD編集部