U-20女子日本代表が、世界の舞台で戦っている。U-20女子ワールドカップ連覇を目指す「ヤングなでしこ」は、連勝でグル…

 U-20女子日本代表が、世界の舞台で戦っている。U-20女子ワールドカップ連覇を目指す「ヤングなでしこ」は、連勝でグループ突破に王手をかけている。ここまで見えた強み、そしてこれからの課題をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■ガーナ戦で苦しんだ理由

 優勝するには6試合を戦わなければならないこの大会。日本は、もう少し思い切ってメンバーをいじってくるかと思っていたのだが、実際にはGKを含めてオランダ戦から先発を4人入れ替えたにとどまった。

 しかし、オランダ戦とは違って、ガーナ戦では4-4-2を採用していた。

 もっとも、ガーナにチャンスを作られてしまったのはシステムのせいではない。

 たとえば、前半37分に右からのロングボールにアブドライがフリーで抜け出して思い切ってシュートを狙った場面。ガーナにとってこの試合で最大のチャンスだった。そして、アブドライは完全にフリーな状態でシュートを試みたのだが、ボールは日本のゴールポストをかすめただけだった。

 ガーナはフィジカル的に強くて無理がきくセンターバックのドゥアーとアチアーの2人が広い範囲をカバーして日本の攻撃を跳ね返し、シンプルなロングボールを蹴って、前線の選手たちのスピードを生かしてきたのだ。そして、日本はこのロングボールの出所を抑えることができず、前線で競り負けてしまったのだ。

■必死の戦いを挑んでくるアメリカ

 オランダ戦では、組織的な守備が十分に機能していたが、それはオランダがパスをつないでビルドアップしようという意思が強かったからだ。相手のパスのつなぎに対しては、戦術的にうまく追い込んで、そして最後は複数で囲い込んでパスコースを消してしまうことができていた日本。だが、パスをつながずにいきなりロングボールを蹴って1対1の勝負をしかけてきたガーナに対してほとんど対応ができていなかった。

 もちろん、そんなロングボールがつながってチャンスに結び付く回数は少なかったし、ガーナはフィニッシュの前の段階でパスが雑だったので、大きなピンチはさらに少なかった。だが、もっと技術力のある相手がこうしたロングボールによるパワープレーを仕掛けてきたら、果たしても乗り切ることは可能なのだろうか? つまり、そうしたシンプルな攻撃への対処が大きな課題となる。

 たとえば、8月17日の最終のアメリカ戦だ。

 オランダに敗れて1勝1敗となったアメリカ。日本はすでに勝点6を獲得しており、同時刻に行われるもう1つの試合ではオランダが2連敗のガーナと対戦。オランダが勝って勝点を6に伸ばすのはほぼ確実だ。

■ここまでの2試合の活用法

 アメリカとしては、生き残るためには日本相手に勝点3を奪うしかない。しかも、得失点差を考えると、最低でも2ゴールは必要だ。

 もちろん、アメリカもパスをつないでビルドアップしてくるだろう。そうなれば、オランダ戦と同じように日本のプレスがはまる可能性は高い。

 だが、そこで(あるいは冒頭から)アメリカが日本の弱点を考えて、パワープレーをしかけてきたらどうなるのだろう。アメリカは、ガーナと違って前線の技術も高いのだ。日本がガーナ戦のような戦い方をしていたら、アメリカ相手に大敗を喫して2勝1敗で大会を去ることになりかねない。

 中2日の連戦の中で、相手に合わせて戦術的な調整する余裕はあまりないだろうから、やはり、今まで積み上げてきたものをそのまま発揮するしかないだろうが、そうした場合にどのように対処するかの確認作業をしっかりとしておきたいものだ。

 できれば、オランダ戦でのように前線からプレスをかける戦い方でゲームを支配すること。そして、相手がガーナのようなシンプルなボールを入れてきた場合には、そのボールの出所をいかにして抑えることができるか。それが、守備の課題。そして、シュートをゴールの枠内に打つこと……。

 そうやってさまざまなスタイルの相手と戦ながら勝ち進んでいくことによって海外勢を相手に試合をする感覚を研ぎ澄ませて、そして落ち着いて戦っていってもらいたいものだ。

 日本の女子サッカーの将来のためにも、4年前のU-20女子ワールドカップと同じようにしっかりと勝ち切って再び優勝トロフィーを掲げてもらいたいものである。

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