記録会では110メートルのロングティーと快足を発揮した浅野翔吾 プロも注目する両打ちの怪童が足で魅せた。第104回全国高…

記録会では110メートルのロングティーと快足を発揮した浅野翔吾

 プロも注目する両打ちの“怪童”が足で魅せた。第104回全国高校野球選手権大会は15日、大会第10日の4試合を行い、第2試合では高松商業(香川)が九州国際大付(福岡)に2-1で勝利した。16強入りした昨夏を超えることを目標に掲げたチームは、4強入りした1970年以来52年ぶりの8強入りを叶えた。

「1番・中堅」で先発した浅野翔吾外野手(3年)は初回の第1打席、二塁内野安打で出塁するとすかさず二盗。4番・山田一成内野手(3年)の左前適時打で先制のホームを踏んだ。スタートの速さ、50メートル5.9秒の俊足を生かした走塁を長尾健司監督は「良い先制パンチになった」と振り返った。

 佐久長聖(長野)との1回戦で2本塁打を放ったように、豪快な打力ばかりが注目されがちだが、超高校級の脚力も持ち合わせている。昨冬に香川県高等学校野球連盟が開催した「第2回スタジアムレコード記録会」では、高松商を代表して「ロングティー部門」と「ベース1周走」の2種目へエントリーした。

 豪快なスイングで110メートルを記録した「ロングティー部門」では1位を獲得。さらに「ベース1周走」でも力強い走りをみせていたが、三塁ベースを回ったところでまさかの転倒。記録こそ“圏外”だったものの、チーム随一の脚力を誇る浅野が出場しなかったチーム対抗リレーでは1位になっており、規格外の数値が出ていた可能性もあったという。

“イチロー流”のリードの取り方でインパクトに集中

 加えて、昨冬に実現したイチロー氏(現マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)からの直接指導では、リードの取り方について助言を受けた。昨秋まではシャッフルすることがあった浅野は「目線がぶれないように」と“イチロー流”を取り入れ、「跳ねたりしてリードするのではなく、インパクトに集中してしっかり見てスタート」するように切り替えた。

 長尾監督は「浅野については自分の行ける感覚のときに行かせている」と、走攻守において全幅の信頼を寄せている。その期待に応え二盗を成功させた浅野も「(相手投手は)右打者に対してチェンジアップが多いと聞いていた。チェンジアップの持ち方で牽制してくることはないかなと思い、ギャンブル的にスタートした」と胸を張った。

 13日に、1回戦で本塁打を放った本田倫太郎一塁手(3年)を含む2選手を体調不良のため入れ替えた高松商。香川県勢としては2017年に“公立の星”と言われた三本松以来のベスト8進出を果たし、「あの2人が帰ってくるまで、に目標を変えました。次も高商らしい守り勝つ野球を徹底したい」。浅野は療養中の選手へ勝利を誓った。(喜岡桜 / Sakura Kioka)