何ヵ月もの失望を誘う成績とモティベーション不足のあと、アンディ・マレー(イギリス)は、全仏オープン(5月28日〜6月11日/フランス・パリ/クレーコート)が自分のシーズンの運気を逆転させることに期待している。 昨年11月にマレーは、197…

 何ヵ月もの失望を誘う成績とモティベーション不足のあと、アンディ・マレー(イギリス)は、全仏オープン(5月28日〜6月11日/フランス・パリ/クレーコート)が自分のシーズンの運気を逆転させることに期待している。

 昨年11月にマレーは、1973年にランキング・システムが導入されて以来、イギリス人男子プレーヤーとして初めて世界1位となった

 ウィンブルドン優勝者であるマレーはまた、同一年に、グランドスラム、ツアー・ファイナルズ、オリンピック、そしてATP1000の大会に勝った、初のプレーヤーにもなった。

 このような目覚ましい成績の続きが難しいものとなったのは、驚きではない。

「昨シーズンの終わりに僕はナンバーワンとなり、今年の僕は、モティベーションを高く保って、新しいゴールを定めるのが難しい時期があった」とマレーは言った。

 昨年を24連勝で終えたマレーは、それ以来、インディアンウェルズ、モンテカルロ、バルセロナ、マドリッドと早期敗退し、ナンバーワンの選手としては、1999年のピート・サンプラス(アメリカ)以来、最悪といえる年を送っている。

「間違いなく、ここ数ヵ月は厳しいものだった。あまりいいプレーができていなかったし、2、3月には肘を痛めて、いくつかの身体の問題にも苛まれた。だから難しい数ヵ月だったよ。でもキャリアのここ7、8年に渡り、僕は常にグランドスラム大会で最高の力を発揮し、自分のベストのプレーをしたいと願っていたし、それは今も変わらない」とマレーは言った。

「僕は常に、たとえ悪いプレーをしているときでさえ、グランドスラム大会では通常以上のモティベーションを感じる。そこに出て行って戦うことにワクワクしている。だから、いい練習をしてしっかり準備を整え、いい大会を送れるよう願っている」

 全仏オープンが日曜日に始まろうとしている今、マレーには、自分の最高の調子を再発見するための時間があまり残されていない。しかし、今月30歳となった彼は、今回もまた困難を乗り越えることができると確信している。

「僕は今、世界ランキング1位だ。これよりも悪い立場にいたことは何度もあるよ。背中の手術をしたときも、僕にとってはすごく大変だった。より若い頃、今回以上にいいプレーができず、四苦八苦していた時期があった」とマレーは言った。

「確かにここ2、3か月は厳しかったが、運気、傾向を転換させることができると信じているし、それが、ここパリでスタートするよう祈っている」

 マレーはまたこれから、より若い選手たちからの厳しいチャレンジにも直面することになるだろう。

 今回初めて、世界ランキングのトップ5が全員30歳以上(マレー30歳、ジョコビッチ30歳、ワウリンカ32歳、ナダル30歳、フェデラー35歳)となったが、同時に、パリで初めてのグランドスラム・タイトルを獲得できるかもしれない若手たちが数人いる。

 先週のローマで、20歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)はノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒し、初めてATP1000で優勝した。一方、23歳のドミニク・ティーム(オーストリア)は同大会でラファエル・ナダル(スペイン)を倒し、やはり強い印象を残した。

「ここ10年から12年のテニス界で何が起きているかに目を向けると、選手は年をとるにつれ、よりよいプレーをするようになり始めているように見える。過去には、こんなふうではなかった。でも、少しばかり驚きだ、とも言わなければならないな」とマレーは言った。

「すぐに変わり始めるだろうと思う。間違いなく若い選手たちは、まもなくブレークを果たすだろう」と彼は言い添えた。「でも、僕は自分がランキングのトップ数席で、あと数年は戦えるよう願っている」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は5月28日に開幕する「全仏オープン」に臨む世界1位のアンディ・マレー(イギリス)

Photo: PARIS, FRANCE - MAY 23: Andy Murray of Great Britain signs autographs as he arrives for a training session at the 2017 French Open at Roland Garros on May 23, 2017 in Paris, France. (Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)