■8月11日/JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦 川崎フロンターレーセレッソ大阪(等々力) 7日に味わった横…

■8月11日/JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦 川崎フロンターレセレッソ大阪(等々力)

 7日に味わった横浜F・マリノス戦の「歓喜」から一転、ミッドウイークに味わったのは「絶望」だった。89分間もベスト4進出を手中にしたにもかかわらず、残り1分とアディショナルタイムですべてを失ったのだ。

 まさかの敗退だ。第1戦を1-1で折り返し、等々力で迎えた第2戦。前半40分、後半13分とマルシーニョのゴールでリードを2点とした川崎は、勝利を限りなく近くまで手繰り寄せていた。後半11分にDFジェジエウが右足を痛めて交代するも、車屋紳太郎がピッチに入る。横浜FM戦で獅子奮迅の働きをしたブラジル人DFがいなくなったとはいえ、この日は背番号7が戦列に復帰していたため、その影響は限りなく小さいものだった。

 むしろ痛かったのは、80分の交代カードだったかもしれない。このときベンチに下がったのがマルシーニョと家長昭博で、残り10分とアディショナルタイムで家長の不在を感じずにはいられなかった。

 その最大の要因は、ピッチの上でボール保持を選択できなかったことだ。家長個人のボール保持はもちろんだが、そのゆったりとしたボール回しによって時間を使うことができなかった。もちろん、これは家長不在だけの問題ではない。そういった意識をチームの中で持つことができればよかったのだが、いつもはできることが、この日はできなかった。

■指揮官が悔やんだ「時間の使い方」

 この点について鬼木達監督も、「あの時間で何をするべきか。共有していたつもりですが……」としたうえで、「“時間の使い方”など、サッカーをずっと経験していれば分かるはずだと思う。それがゲームの中で全員で意思統一できなかった」と悔やむしかなかった。

 一方で、選手の疲労が極度に高まっていたことも忘れてはならない。E―1選手権の中断明け以降、新型コロナの陽性者が続出したことで、休養がないままピッチに立ち続けている選手が多くいた。また、紅白戦ができないため強度を保つことができないなど、練習にも制限が出ていたこともありコンディションをいつものようには保てなかった選手もいたはずだ。

 ボール保持を選択できなかったのは、単にイメージ共有できなかったことが原因なのか、それとも、フィジカル面で困難があったのかは、外から見るだけでは分からない面もある。

 繰り返しになるが、この試合を川崎が優位に進めていただけに悔やまれる終盤の進め方だった。内容が伴わない中で勝利を重ねた前半から一転、天皇杯の敗退も含めて、内容で上回りながら結果を手にすることができない状態に陥りつつある。

■「自分たちが優勝を目指すチームではいられない」

 川崎はこのタイトルの権利を2年連続で、等々力で行われた第2戦のアディショナルタイムで失うこととなった。昨年、浦和レッズと対戦して90+4分に槙野智章(現・神戸)にアウェイゴールを許し、第2戦のスコアを3-3とされたことで敗退していた。浦和との第1戦のスコアは、今年と同じく1-1だった。
「同じことを繰り返すようでは、自分たちが優勝を目指すチームではいられない」
 こう言葉をふり絞った指揮官の思いは、今季はもはやリーグ戦しか生かす場所がない。首位・横浜FMとの勝ち点差が「8」に開いた状況で、どう逆転3連覇を目指すのか。失ったタイトルの権利を糧にするしかない。

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