米女子ゴルフツアー「AIG全英女子オープン」の最終日が現地7日、英ミュアフィールド・リンクス(6659ヤード、パー71)で行われた。首位と5打差の2位から出た渋野日向子は1イーグル、3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの71で回り、通算9…

米女子ゴルフツアー「AIG全英女子オープン」の最終日が現地7日、英ミュアフィールド・リンクス(6659ヤード、パー71)で行われた。首位と5打差の2位から出た渋野日向子は1イーグル、3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの71で回り、通算9アンダーでフィニッシュ。惜しくも1打届かず単独3位となった。

優勝争いは、南アフリカのアシュリー・ブハイと韓国の田仁智(チョン・インジ)が通算10アンダーで並び、プレーオフに突入。ブハイが4ホール目でリードし、メジャー初制覇を飾った。日本勢は、畑岡奈紗が通算5アンダーの7位、山下美夢有が通算4アンダーの13位、堀琴音は通算3アンダーの15位となった。

◆渋野日向子が単独3位に涙流す「すごく悔しい」 1打及ばずプレーオフ進出逃す 優勝は同組のブハイ

■「悔しさもあり、うれしさもある」

2019年大会覇者の渋野はこの日、逆転優勝を狙い首位と5打差の2位からスタート。前半2番でバーディーを先行させたものの、3、4番は連続ボギーをたたき、スコアを落とした。しかし、続く5番で鮮やかなイーグルをマークし、挽回。大会公式Twitterも「素晴らしい手ごたえ。ヒナコ・シブノに重要なイーグルで10アンダー」とつづり、優勝戦線に留まったプレーを称賛し、パッティングの映像とともに伝えた。

その後、8番もボギーとなったが、9番でバウンスバック。スコアを伸ばし切れない中、後半に入り14番で痛恨のダブルボギー。優勝は遠のいたかに見えたが、同組で回っていた首位のブハイも15番でトリプルボギーをたたき、再び望みが出てきた。

追いかける渋野は17番でバーディーを奪い、1打差に肉薄。しかし、逆転をかけた最終18番は2打目がグリーンをオーバーし、結局パーでフィニッシュ。首位で18ホールを終えたブハイと田に1打及ばなかった。

試合後、渋野は中継局などのインタビューに応じ、「やり切ったが、やはり悔しい。3パットを3回もしてしまい、もったいないプレーが多かった。自信を持てるショットもあったが、悔しい内容もあった。悔しさもあり、うれしさもある。心の持ちようでゴルフの内容が変わると思えた4日間でした」とコメント。2019年大会以来となる3年ぶりの優勝は惜しくもならなかったが、今季は予選落ちが目立つなど苦しいシーズンを送っていただけに、復活の手ごたえをつかむ海外メジャー最終戦となった。

■間違ってなかったスイング改造

4日間、好調を維持できた要因は中弾道のショット。絶えず強風が吹く中、風の影響を受けにくい球筋でスコアをまとめた。その球筋を生み出したのは、一部から批判を受けつつも改造したスイング。現在の渋野はトップを極端に低くして、レベルに振るため、弾道は高くなりにくい。結果的に向かい風に押し返されることもなく、フォローの風に乗って飛び過ぎることもなく、本人が話していたように「風と友達」になり、好成績を残した。

もちろん、米国本土でプレーする場合などは、高い弾道で上からドスンと落とした方が良いケースも多々あり、今後も中弾道が功を奏すとは限らない。それでもメジャータイトルに相応しい実力の持ち主であることを改めて証明した事実は揺るがない。

◆単独首位スタート渋野日向子「こんなにいいゴルフは久しぶり」激しい風も関係なし初日6アンダー

◆渋野日向子は「完全にバーディーマシン」 好プレー連発に米解説称賛「勝ち方知ってる」

◆第2日 渋野日向子は4打差7位に後退 5位浮上の山下美夢有、17位に畑岡奈紗、堀琴音

文●SPREAD編集部