2022年のFIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「ラリー・フィンランド」の競技最終日デイ4は7日、ユバスキュラのサービスパークを起点に行われ、ヒョンデのオット・タナクがトヨタのカッレ・ロバンペラとの一騎打ちを制し優勝。タナクはこれでフィン…

2022年のFIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「ラリー・フィンランド」の競技最終日デイ4は7日、ユバスキュラのサービスパークを起点に行われ、ヒョンデのオット・タナクがトヨタのカッレ・ロバンペラとの一騎打ちを制し優勝。タナクはこれでフィンランドでの勝利を3に伸ばした。ロバンペラは6.8秒遅れの2位。3位は同じくトヨタのエサペッカ・ラッピ。勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6位フィニッシュ。ドライバーズ・ランキングは、ロバンペラが堅持した。

◆第7戦でトヨタが1-2 カッレ・ロバンペラが5勝目、エバンスが2位 ラリー・エストニア

■トヨタもランキング首位キープ

ラリー・フィンランドの最終日は、サービスパークの東側と南側エリアで「オイティラ」と「ルイヒマキ」の、2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は43.92km。デイ4は気温が13度前後と肌寒いながら、競技中に雨は降らずステージは大部分がドライコンディションに。超高速のグラベル(未舗装路)ステージで、前日に続き激しい優勝争いが繰り広げられた。

デイ3で首位のタナックに8.4秒差に迫った2位のロバンペラは、SS20、21と連続でベストタイムを記録。ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージ、SS22も制したが、タナックを逆転することは叶わず。6.8秒差の総合2位で母国ラリーをフィニッシュした。ロバンペラは、今シーズン5回目となるパワーステージ優勝により、5ポイントの最大ボーナスを獲得。ドライバー選手権では、2位に対するリードを94ポイント差に拡げた。トヨタもマニュファクチャラー選手権首位の座を守り、リードを88ポイントに拡げている。

なお、ロバンペラのパワーステージ優勝により、GR YARIS Rally1 HYBRIDは今回走行した21本のステージのうち、15ステージでベストタイムを記録。勝田は総合6位で「第2のホームイベント」をフィニッシュ。その結果、勝田とTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationは、開幕から8戦連続でポイントを獲得した。

TOYOTA GAZOO Racing WRTのヘッドクォーターは、ユバスキュラに置かれているため、いわば「第2のホームラリー」。ここでチームが勝利を逃した点について、チーム・オーナーの豊田章男トヨタ自動車社長は「今回も地元ユバスキュラ市の皆さまから大きな応援をいただきました。ありがとうございました。しかし、今回は勝利でお返しすることができませんでした。フィンランド出身のカッレやエサペッカも本当に頑張ってくれましたが、一歩及ばず…残念です」と悔しさをあらわにし、「もうひとつのホームラリー“ラリージャパン”でもフィンランドと同様に地元だからこその大きな声援がもらえると思います。日本では、その声に必ず応え、TOYOTA GAZOO Racingが勝利する姿でその声援に返したいと思います」と久々の日本開催への決意を示した。

■ラリー・フィンランドの結果

1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 2h24m04.6s 2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +6.8s 3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m20.7s 4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m37.6s 5 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m18.0s 6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3m09.0s

◆第6戦ラリー・ケニアでトヨタが1-2-3-4フィニッシュ 勝田貴元も3位表彰台

◆三菱自動車「ラリーアート」復活の青写真予想

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文●SPREAD編集部