2週間の長きに渡るインディ500=インディアナポリス500マイルレースの戦いも、いよいよ決勝前最後の走行を迎えた。26日正午から1時間のプラクティスがセッティングのラストチャンスになる。セッションは、度重なるイエロー・コーションにより5分間…
2週間の長きに渡るインディ500=インディアナポリス500マイルレースの戦いも、いよいよ決勝前最後の走行を迎えた。26日正午から1時間のプラクティスがセッティングのラストチャンスになる。
セッションは、度重なるイエロー・コーションにより5分間延長され、午後1時5分にチェッカーフラッグが振られた。最速はエリオ・カストロネベス(ペンスキー/シボレー)の227.377マイル/hだった。これまで眠っていた3タイム・ウィナーが意地を見せた。
いっぽうホンダはジェームズ・ヒンチクリフがエンジンをブローさせ、一抹の不安を抱えて決勝を迎える。この2週間でホンダ勢にはエンジンとターボのトラブルが頻発しているが、対するシボレーは未だノートラブルなのだ。
セッション2位は佐藤琢磨だった。「あとはコンディションに合わせ込むだけ。(暑くても寒くても)どちらにも対応できます。これまではカーブデイでもまだセッティングを探していたので、ここまで順調なのは初めての経験です。日本のみなさん、まだ飛行機、間に合いますよ(笑)」。
「昨年まではトラフィックを探して走っていましたが、このチームでは(自分たちだけでパックを作れるので)必要ありません。(チームメイト同士)お互いにラインを考えて走って。実際のレースでは急に下りてきたり、エアをカットしたりとなるのでしょうが。(チーム内でも)ここからはみんな仲悪くなりますよ(笑)。冗談です」
「近年、ターンのインサイドのホワイトラインをカットする走り方をするドライバーが出てきて、それに従ってそこの路面も(ラバーが乗って)出来てきました。おのずとそれに合わせたセッティングになりましたね。決勝では間違いなくみんなカットして走りますよ」
「最初の100ラップは無理をせず、最後の50周、最終スティントは全力で行きます。リードすると燃費が厳しいので3~5番手が一番良いのですが、一度はトップに立って試してはみたいですね」
「日曜日は天気が心配なのですが、ミーティングでは、午後8時まで明るいので5時半まではスタートを待てるということでした。スタートが遅くなると日本のみなさんはお仕事があるでしょうが、どうか応援をお願いします」
日本人初優勝がにわかに現実味を帯びてきた。
フェルナンド・アロンソはまたも5番手。ここまでインディアナポリスで一度もミスを犯していない2タイム・F1チャンピオンの存在はなんとも不気味だ。
「グレートだね。とってもスムースだ。車はこれまでの2週間でベストだと感じている。とてもハッピーだよ」
メディアセンターで琢磨とすれ違いざまに「ガンバッテ!」と日本語で声を掛ける陽気なスペイン人が目指すのはもちろん初出場・初優勝だ。
第101回インディ500決勝は28日・日曜。日本時間29日未明1時19分(現地時間28日午後0時19分)スタートする。
佐藤琢磨(インディ500)《photo by 重信直希 / Naoki Shigenobu》
佐藤琢磨(インディ500)《photo by 重信直希 / Naoki Shigenobu》
アロンソ(インディ500)《photo by 重信直希 / Naoki Shigenobu》
カストロネベス(インディ500)《photo by 重信直希 / Naoki Shigenobu》