2年連続で夏の滋賀大会準Vの立命館守山 今年も大一番で、近江に夢を阻まれた。29日にマイネットスタジアム皇子山で行われた…

2年連続で夏の滋賀大会準Vの立命館守山

 今年も大一番で、近江に夢を阻まれた。29日にマイネットスタジアム皇子山で行われた第104回全国高校野球選手権滋賀大会の決勝。立命館守山は創部7年目にして2年連続で聖地に王手をかけたが、1-4で敗れて甲子園初出場の夢は叶わなかった。

 先発した2年生のエース左腕・加藤優芽投手は持ち味の制球と緩急で大量得点こそ許さなかったが、近江先発の山田陽翔投手(3年)の前に打線が3安打に抑え込まれた。秋武祥仁監督は「(山田投手は)変化球が良かったですね。独特の雰囲気の中で選手はしっかりやってくれた。結果は伴わなかったですけど、これまでやってきたことをやれたかなと思います」とうなずいた。

 2年連続で県大会は春夏準優勝。昨夏も決勝で近江に0-6で敗れ、涙をのんでいた。甲子園への“あと一歩”が遠いが、県内では躍進。一昨年の秋季大会では近江にも勝利し、近畿大会に出場。今大会でも光泉カトリック、彦根東、綾羽と県内の実力校を破って決勝に進出し、強豪校としての地位を固めつつある。

専用グラウンドは無し、限られた時間の中で練習

 立命館守山野球部は2016年に学校創立10周年を記念して創部され、野球部専用のグラウンドは無い。学校の隣に位置する守山市民球場を借りて練習することが多いが、同球場にはナイター設備がなく、使用できる時間も限られている。校内のグラウンドには打撃ケージが数個あるくらいで、毎日満足いく練習ができるわけではない。

 躍進の理由を、選手は「意識」「効率」という言葉で語る。主将の小山達樹内野手(3年)は「意識を高く持つというのが、チーム全員で徹底できていて、環境のせいにせずに、自分たちの意識で補っていこうという思いで取り組んでいました」。打撃練習一つをとっても、試合を想定し、1球に集中する。1番打者の大西温太外野手(3年)は「僕たちは練習時間が短いので効率よくやってきたのが良かった」と振り返った。

 今ある環境の中で、最大の努力をする。当たり前のことのようにも思えるが、この意識の積み重ねが結果となって現れているのだ。「来年はまた違う持ち味が出てくると思う。また新しいチームで勝負したい」と語った秋武監督。今大会好投を続けたエース加藤はまだ2年生。先輩たちの涙も背負って、聖地を目指す。(上野明洸 / Akihiro Ueno)