7月31日、札幌競馬場で3歳以上の牝馬による重賞、GⅢクイーンS(芝1800m)が行なわれる。 昨年は東京五輪の影響で…

 7月31日、札幌競馬場で3歳以上の牝馬による重賞、GⅢクイーンS(芝1800m)が行なわれる。

 昨年は東京五輪の影響で、2013年以来2度目となる函館で行なわれたため、今年は2年ぶりの札幌開催。ただ、函館のコースも同じ北海道の洋芝で距離も同じだったため、それほど傾向は変わらないと思われる。昨年も含めたレースの傾向を踏まえつつ、「札幌・芝1800m」の種牡馬成績を基本に、血統的視点から分析していきたい。



4歳以降の成長が期待できるスライリー

 最近のこのレースの傾向として目立つのが、ディープインパクト産駒の好成績だ。昨年はテルツェットとマジックキャッスルでワンツーフィニッシュ。2019年にもミッキーチャームが勝利している。過去10年の「札幌・芝1800m」の種牡馬別成績を見ても、121レースで25勝、2着16回で勝率20.7%、連対率33.9%という成績が残っている。

 このデータ通りにディープインパクト産駒を狙うのもいいが、今回はちょっとひねって、母の父にディープインパクトを持つスライリー(牝4歳、美浦・相沢郁厩舎)を狙ってみたい。

 同馬はオルフェーヴル産駒だが、同産駒も「札幌・芝1800m」では出走31レースで4勝、2着1回で勝率12.9%、連対率16.1%とまずまずの成績。重賞でもロックディスタウンが2017年のGⅢ札幌2歳Sを勝利している。スライリーは3歳だった昨年春、GⅡフローラS(東京・芝2000m)で2着に入り、秋のGⅠ秋華賞(阪神・芝2000m)では勝ち馬から0秒5差の5着だった。

 その後は4着が最高着順だが、ここ3戦はGⅢ中山牝馬S(中山・芝1800m)で0秒2差の4着、GⅢ福島牝馬S(福島・芝1800m)で0秒4差の7着、メイS(東京・芝1800m)で0秒4差の6着と、悪くない走りを続けており、展開がハマれば十分に馬券圏内に入れそう。「札幌・芝1800m」は2歳時の札幌2歳Sで14着と大敗しているが、同レースは出遅れて折り合いを欠き、力を出し切れなかったので参考外としてよさそうだ。

 馬齢が4歳というのもポイント。このレースは4年連続で4歳馬が勝利していて、直近3年は1、2着を独占している。また、オルフェーヴル産駒の牝馬は4歳以降に力をつけてくる馬が多く、昨年、米GⅠBCディスタフ勝利という歴史的快挙を果たしたマルシュロレーヌも4歳10月に重賞初制覇を飾った。

 その他、サラスが4歳6月の2020年GⅢマーメイドS、アンドラステが5歳7月の2021年GⅢ中京記念、クリノプレミアムが5歳3月の2022年GⅢ中山牝馬Sと、4歳以降に重賞を初制覇している。スライリーの近走の走りを見ると、4歳となっても折り合い面に不安を残すが、今回は中心に狙ってみたい。

 もう1頭は本命ではあるが、ここに入っては逆らいにくいウォーターナビレラ(牝3歳、栗東・武幸四郎厩舎)を推したい。同馬は昨年のGⅢファンタジーS(芝1400m)の勝ち馬で、GⅠ桜花賞2着、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ3着と、実績トップクラスの3歳牝馬だ。

 オークスでは13着と敗れ、1800m以上の実績はない。ただ、1600mの桜花賞では2番手追走から一旦抜け出して猛然と追い込み、1着のスターズオンアースにはハナ差で敗れたものの、3着以下は封じ込める強い競馬を見せた。

 父シルバーステートはこのレースと相性がいいディープインパクト産駒で、1800mでは2戦2勝。さらに、母の父は万能種牡馬キングヘイロー、祖母の父は菊花賞や天皇賞・春を勝ったマヤノトップガンと、スタミナの血を秘めている。1800mに不安はないだろう。3歳馬で、斤量52kgで出走できるのも魅力だ。

 クイーンSでは、GⅠ戦線で好走した3歳馬が結果を残す傾向も。2017年勝ち馬のアエロリットは、前走のGⅠNHKマイルCを勝利しての出走だった。ウォーターナビレラも桜花賞ハナ差2着なら胸を張ってここに臨めるだろう。

 以上、今年のクイーンSは、4歳馬スライリー、3歳馬ウォーターナビレラの若い2頭に期待する。