6番から5番へ昇格…指揮官の「ひらめき」に応えた この成長は本物だ。ENEOSの度会隆輝(わたらい・りゅうき)外野手は2…

6番から5番へ昇格…指揮官の「ひらめき」に応えた

 この成長は本物だ。ENEOSの度会隆輝(わたらい・りゅうき)外野手は27日、東京ドームで行われた都市対抗野球大会・準々決勝のJR西日本戦に「5番・右翼」で出場。2本塁打を含む5打数3安打5打点と爆発した。チームは7-1で圧勝し、9年ぶりの優勝へ前進。高卒2年目の19歳が、名門チームを牽引している。

 ミキハウスとの2回戦で右翼席へ今大会1号を放ったことから、この日は打順が6番から1つ昇格。その期待にいきなり応えてみせた。2回無死一塁で打席に立つと、相手先発の右腕・石黒からバックスクリーンへ先制2号2ラン。4回の遊撃内野安打を挟み、3-0とリードして迎えた5回2死一、三塁では、左腕・岡田に対し“左対左”の不利をものともせず、低めの変化球を巧みにすくい上げ、右翼席へ試合を決定づける3ランを運んだ。

 ミキハウス戦で1号を放った時もそうだが、まるでダンスを踊るようにダイヤモンドを回り、三塁コーチとタッチを交わす瞬間には大きくジャンプ。「意識していませんが、喜びがあふれ出てしまうのです」と笑う姿に、スター性がにじむ。

 2008、2012、2013年とENEOSを都市対抗で3度優勝させている大久保秀昭監督は「(度会の5番昇格は)ひらめきです」としつつ、「4番はチームの顔で、人間性も求められますが、最終的にそこに収まるように成長してほしい」と大きな期待を寄せる。現在4番には、31歳のベテラン・山崎錬内野手が座っており、度会にとっては絶好のお手本だ。

横浜高卒業時にプロ志望届提出も指名漏れ

 さらにこの日は、母校の横浜高が東海大相模を9回サヨナラで破り、2年連続20度目となる夏の甲子園出場を決めた。自身も1年生の夏と2年生の春に“聖地”の土を踏んだ度会は、「うれしいですが、僕も負けていられないという気持ちになります」と思いを新たにする。高校通算24本塁打をマークし、高校卒業時にはプロ志望届を提出するも、ドラフトにはかからなかった。プロレベルの実力を身につけることを誓い、社会人屈指の強豪の門を叩いただけに、一喜一憂してはいる暇はない。

 元ヤクルト内野手の父・博文氏は現在、子ども向けのスワローズベースボールアカデミーのヘッドコーチの重職に就いている上、年末に12球団ジュニアトーナメントに出場するスワローズジュニアの監督も務めることから、選手選考などで多忙。なかなか東京ドームに足を運ぶ時間は取れない。ただ隆輝のことは「優勝を目指しているチームですから、1戦1戦、貢献してほしいです」と気にかけている。ドラフト解禁は来年だが、プロの世界で“親子鷹”が実現する日も、そう遠くはなさそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)