DeNA牧秀悟×入江大生 同期対談(後編) 熾烈なAクラス争いを繰り広げているDeNAにあって、チームを支えているのが2…

DeNA牧秀悟×入江大生 同期対談(後編)

 熾烈なAクラス争いを繰り広げているDeNAにあって、チームを支えているのが2年目の牧秀悟と入江大生の同期入団コンビだ。そんなふたりの対談が実現。前編ではグラウンドでの話を中心に語ってもらったが、後編ではプライベートな部分に迫ってみた。どんな話が飛び出したのだろうか。

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不動の4番としてチームを牽引するDeNA牧秀悟

作新学院の入江は有名人

── ここからはプライベートなことについてもお聞きしたいと思います。高校の時からお互いのことを知っていたんですか?

入江 いや、その頃はまだ知りませんでした。

牧 俺は知ってたよ。だって甲子園に出場していたし、作新学院の入江といえば有名人だったから。実際に見たのは大学1年生の時。(中央大と明治大)オープン戦があって、対戦もしてるよ。

入江 ええっ、そうだっけ!? ぜんぜん覚えていないなあ......。

牧 覚えてないんかい!(笑) その時は野手もやっていたのかな? リリーフで出てきて、青いグローブ使ってなかった?

入江 そうそう、青いグローブ!

牧 身長は高いし、投げるボールはすごいし、これはエグいなって思ったもん。

入江 ありがとうございます(笑)。

牧 その後は、4年のオープン戦でも対戦しているよね。

入江 それはさすがに覚えている。秀悟を認識したのは大学3年生ぐらいだったかな。当時(大学)ジャパンに選出されて、すごい活躍をしていて、「こんな同期がいるんだ」って。

牧 ちょっとその印象、薄くない?(笑)。

入江 いやいや(笑)。4年の時にジャパンの選考会で一緒になったんだよね。秀悟は前年から選出されていて全体の流れがわかるということで、キャプテンみたいな感じでやっていた。「できないよ〜」なんて言いつつ、チームをまとめたり(笑)。キャプテンシーがありつつ、なんか面白いキャラクターだなって思ったよ。

牧 大生も代表合宿では投手陣をまとめたよね。たとえば選手が空港の待合所で広がっていたら、「はいはい」なんて言いながらみんなを集めて、「おお、責任感のある男だな」って思っていた。



今シーズンからリリーフに転向し、ここまで33試合に登板している入江大生

── 当時は言葉をかわしたりしていたのですか。

入江 いや、それがあんまりしゃべることはなかったんです。会えば「おっ、よう!」ってあいさつする程度ですかね。

牧 そうそう「よっ、友!」みたいな感じで(笑)。

入江 だからちゃんと話すようになったのはドラフトのあとからだよね。入団が決まった時は不思議な感覚だった。あの秀悟と一緒のチームでやるんだって。寮に入って、合同自主トレが始まるとずっと一緒だったよね。基本的に、起きる時間も食事をする時間もトレーニングする時間も一緒だったし。

牧 濃密な時間だよね。コロナもあってあまり互いの部屋は行き来できなかったけど、よく風呂は一緒に入ってたよね。

入江 うん、風呂はよく入ってた(笑)。

「やっとテレビを買ったよ」

── あらためてお互いを知って「こういう一面があるんだ」と思ったことはありますか。

牧 大生は独特な雰囲気というか、ちょっと人とは違うところがあるんですよ。たとえば、部屋にテレビを置かず、プロジェクターでひとりで映画を観るのが好きだったり。本当にこういう人がいるんだって(笑)。悪い意味じゃなくて、独特の美学を感じるんですよ。自分の世界観を大事にしているというか。

入江 まわりから「テレビがない」って突っ込まれるから買ったよ(笑)。プロジェクター好きだけど、今はあまり観る時間がないよね。でも、周囲が言うようなそんな変わった人間じゃないから。

牧 本当かなぁ(笑)。

入江 逆に、秀悟は裏表がないっていうか変わらないんだよね。常にハッピーなオーラを放って周りを明るくしてくれる。けど私生活かぁ......そんな面白い話はないかな。

牧 ないんかい!

入江 あっ、そういえば、いつも帽子をかぶっているよね。ハマスタ行く時も、寮に帰る時も、プライベートでも毎日帽子をかぶっている(笑)。

── オールスターが終われば、いよいよ後半戦です。ここからさらにタフな戦いが待っていますが、ファンは5月5日の中日戦のように、ふたりがお立ち台に一緒に立つ姿を見たいと思っています。ぜひ、これからの意気込みを聞かせてください。

牧 前半戦はピッチャーの方々がすごく頑張ってくれたので、後半戦はなんとか野手で得点して、ピッチャー陣をラクにしたいと思っています。本当、ピッチャーの方々は頼りになる存在ですし、きっと大生も頑張ってくれると思うので、しっかりAクラスに入れるようプレーしたいと思います。自分のことよりも、とにかくチームが勝つことが一番ですからね。

入江 僕はまだ自分のことで精一杯のところもあるんですけど、とにかくひとつでもチームの勝利に貢献するピッチングはもちろん、投げていない時もベンチで声を出していきたいと思っています。そしてまた秀悟と一緒にお立ち台に立てるように僕も頑張るので、引きつづき応援よろしくお願いします!

牧 うん、一緒に頑張っていこう!

おわり

プロフィール

牧秀悟(まき・しゅうご)1998年4月21日、長野県生まれ。松本第一高から中央大に進み、1年春からレギュラーを獲得。3年春のリーグ戦で首位打者を獲得し、秋はMVPに輝く。2020年にドラフト2位でDeNAに指名され入団。開幕スタメンを果たすと、8月25日の阪神戦でルーキー史上初のサイクル安打を達成。歴代4人目となる1年目での打率3割、20本塁打超えを果たすなど、数々の新人記録を打ち立てた

入江大生(いりえ・たいせい)1998年8月26日、栃木県生まれ。作新学院高では高校3年夏に甲子園に出場し、3試合連続本塁打を放つなど全国制覇に貢献。明治大に進学し、1年春から登板し、3年に春に初勝利。東京六大学通算は37試合に登板して5勝7敗。2020年にドラフト1位でDeNAに指名され入団。昨年はヒジ手術もあり4試合の登板に終わったが、今季はリリーフに転向し開幕一軍を勝ちとった