全国高校総体サッカー男子、昌平が日章学園に6-2と快勝 プロ入りが決まり、違いを見せなければいけないと意気込んだ肩から少…

全国高校総体サッカー男子、昌平が日章学園に6-2と快勝

 プロ入りが決まり、違いを見せなければいけないと意気込んだ肩から少し荷が下りた。徳島県で開催されている全国高校総体(インターハイ)のサッカー男子は26日に3回戦を行い、昌平(埼玉)が6-2で日章学園(宮崎)を破りベスト8入りを決めた。MF荒井悠汰(3年)は、来季のFC東京加入が内定しており、特別指定選手としてルヴァン杯に出場。この試合では、PKで先制点をマーク。一度は逆転を許す苦しい展開になったが、後半のクーリングブレイク(夏場の暑さを考慮し、飲水・休憩のため全員がベンチに下がる)が明けると、選手交代でギアを上げた昌平の攻撃陣が立て続けに5点を奪って逆転。荒井は後半31分に自身2点目をマークし、勝利に貢献した。

 昌平は1回戦で生駒(奈良)に3-0、2回戦で星稜(石川)に3-1と得点力を発揮して勝ち上がってきたが、荒井は無得点だった。迎えたこの日の日章学園戦、前半17分に左DF武村圭悟(3年)が獲得したPKを左足で決めた先制点は、荒井にとっての今大会初ゴール。「ここまでチームのみんなに助けられていたので、しっかり得点を取りたいという思いでした。練習でもPKはやっていたので、落ち着いて決められた。1点目で、結構ホッとした感じはありました」と、無得点の状況で感じていたプレッシャーから解放された感覚があったことを明かした。

 1年時から主力で活躍し、2020年度の高校サッカー選手権では、全国ベスト8に貢献。以降、ずっとチームの主軸だ。経験を積むなかで、年代別代表やプロ内定といった看板を背負うようになり、今季は最上級生になった。

 一方、チームは全国大会から遠ざかっていた。もう一度、全国で上位に進む――。そのために、自分は常に結果を出し続けなければならないという緊張感がまとわりつくようになった。荒井は「プレッシャーに弱い感じがあります。でも、やっぱりプロが決まったからには結果は求められる。もっと点を決めたいです」と自身が置かれる立場で背負わざるを得ない、エースの重責と向き合い続けている。

 実力は、間違いない。この日の自身2点目は、チャンスを嗅ぎ取る嗅覚、無駄がなく素早いボールタッチ、正確で強いキックを駆使した格の違いを見せつける一撃だった。左サイドから味方がシュートを放ち、GKに当たって逆サイドまで流れたボールに追いつくと、素早くコントロール。迷わず、得意の左でファーサイドへ流し込んだ。

試合後は満足には程遠い言葉に終始

 攻撃の核としての働きができていないわけではない。しかし、最大級の活躍を意識し続けているため「あそこで点を取れないとダメ。自分が結果を残さないといけないし、自分がチームを勝たせないといけない。もっとチームを助けられるような仕事をしたい。違いを見せないといけないので、結果にこだわってやっていきたい」と満足には程遠い言葉に終始した。

 大会前は別メニュー調整をしていたというほど、コンディションも一度落ちた状態から復調させようとしている段階で、まだ本調子とは言えない。動きの重さは、今もまだ感じているという。夏場の連戦で体力的にも厳しく、心理面の負担も大きいが、さらに先へ進もうという気持ちに衰えはない。

 中1日と短い休養を挟んで、28日に迎える準々決勝では、昨季の全国高校サッカー選手権で準優勝の大津(熊本)と対戦する。3試合で12得点という攻撃陣が持ち味を出せるかどうかが、勝利のカギとなる。荒井は「一戦一戦、しっかり集中して臨みたいです。日本一を狙えるチームだと思っている。もっと点を取って、今年こそは日本一を取りたいです」と悲願の初優勝を見据え、一戦必勝の姿勢で臨む覚悟を示した。連続ゴールで夢に近づけるか。プレッシャーと向き合いながら、エースは歩を進めようとしている。(平野 貴也 / Takaya Hirano)