(写真:Getty Images) 決して試合の入り方は悪くなかった。前からプレッシングを掛けることで相手のビルドアップを限定していき、サイドバックから中央に出たボールを奪取する。狙いとしていた形から何度か鋭いショートカウンターを繰り出す場…


(写真:Getty Images)

 決して試合の入り方は悪くなかった。前からプレッシングを掛けることで相手のビルドアップを限定していき、サイドバックから中央に出たボールを奪取する。狙いとしていた形から何度か鋭いショートカウンターを繰り出す場面を作った。

 しかし、誤算だったのはエースである小川航基が負傷交代を余儀なくされたこと。16分、ルーズボールに反応した小川が相手と交錯。左ひざを負傷すると、立ち上がることのないまま担架で運ばれ、20分にピッチを去った。

 このアクシデントにより、日本はプランの変更を強いられることとなる。「小川が抜けたぶん高さがなくなったので、サイドからのクロスは難しいと感じた」と市丸瑞希。代わって久保建英が投入されたものの、前線のターゲットが不在となったことで、攻撃の主な形だったサイド攻撃の威力は半減。ボールをつなぎながら、より中央を突破していく狙いに切り替える必要性が生まれた。

 だが、小川の負傷交代は想像以上に痛く、収まりどころを失ったチームはルーズなミスを連発。38分には一本の背後のパスから最後はスキアッパカッセに決められ、先制点を献上してしまう。

 その後は日本がボールを保持する時間を長くしたものの「結構ボールを持たされている部分があった」(三好康児)。後半は足が止まり始めた相手に対してチャンスを作ったが、最後までゴールネットを揺らすことはできず。終盤には今後に響きかねない2失点目を奪われて敗戦を喫した。

「決め切る力が足りなかったし、最後の質がよくなかった」と堂安律。あと一歩が遠かった日本はこれで1勝1敗とし、グループリーグ突破は第3戦のイタリア戦に懸けることとなった。

文・林 遼平