西武・渡邉は110日ぶり1軍マウンドで6回途中2失点、今季初勝利を挙げた■西武 9ー4 楽天(22日・ベルーナドーム)“…

西武・渡邉は110日ぶり1軍マウンドで6回途中2失点、今季初勝利を挙げた

■西武 9ー4 楽天(22日・ベルーナドーム)

“転がってきたチャンス”をモノにした。西武は22日に本拠地ベルーナドームで行われた楽天戦に9-4で快勝し、連敗を3で止めた。先発の4年目右腕・渡邉勇太朗投手は4月3日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来110日ぶりの1軍登板だったが、6回途中2失点にまとめて今季初勝利を挙げた。

 21日のロッテ戦(ZOZOマリン)は、守護神の平良が9回に2点リードをひっくり返される衝撃的な逆転サヨナラ負け。辻発彦監督は「今日こそ負けられないという気持ちはあった。しかし、相手の先発は則本ですから、分が悪いとも思っていました」と率直に明かした上で、「勇太朗がチームの苦しい時を救ってくれた。ナイスピッチング」と称えた。

 21歳右腕は昨季、後半だけで4勝を挙げ、今季は開幕ローテの一角を勝ち取った。しかし、2試合先発で0勝1敗、防御率7.56と振るわず2軍落ち。首位を争う1軍を横目にファームでの調整が続いた。

 この日は初回、先頭打者・辰己の飛球を、照明が目に入ったのか左翼・鈴木が後逸。いきなり無死二塁のピンチを背負う波乱の幕開けだった。それでも続く銀次を真ん中高めの147キロ速球で中飛。主砲・浅村もインコースのストレート2球でカウント0-2と追い込み、3球目の外角低めスライダーを打たせて三ゴロに仕留める。そして4番・島内は真ん中のスライダーで一ゴロ。この回を無失点でしのいだことが、打線の大量援護につながったと言える。

内海兼任コーチからクイック投球時の“悪癖”について助言を受けた

 その後も毎回走者を背負ったが、2軍で“師”と仰ぐ内海哲也投手兼コーチから受けた「クイックモーションの時に体が早く突っ込む癖があるから、気をつけろ」とのアドバイスを思い出しながら、粘った。5-0とリードして迎えた6回に先頭の島内、続く鈴木大に連打され、91球で降板。救援した佐々木も打たれて2失点が記録されたものの、辻監督は「久しぶりに、いい時の勇太朗を見せてくれた。調子の悪い時は、カットボールに頼ったり、いい所に投げようと考え過ぎるけれど、今日は真っ直ぐで押し、投げっぷりがよかった」と評し、「久しぶりの1軍だから、5回でもやっとというくらいバテたと思うよ」と労った。

 イースタン・リーグでは12試合で5勝5敗、防御率4.11。抜群の成績を残していたわけではない。ルーキーの隅田、佐藤が相次いで新型コロナウイルスに感染し、ようやく回ってきた1軍での登板機会だった。渡邉自身「転がってきたチャンス。失うものは何もない」と表現していた。辻監督は「(優先順位は)3番目だったけれど、これもあいつの運。ダメなら、また別の投手にチャンスが行くところだった。そういう時にびびらず、結果を出せたのは成長ではないか」とうなずいた。

 昨季までチーム防御率が4年連続リーグワーストだった西武投手陣だが、今季は一変。22日現在でリーグトップの2.46をマークしている。例年に比べてチーム内競争も激しい。未完の大器“ナベU”が1軍に生き残るには、持てる潜在能力を開花させることが必要だ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)