【EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会 日本代表vs香港代表 2022年7月19日 19:20キックオフ】 …
E-1の初戦にゴールマウスを任されたのは、浦和レッズの鈴木彩艶だった。A代表デビュー戦だ。
現在19歳の鈴木は、昨年のルヴァン杯グループステージで先発に抜擢されると実力をいかんなく発揮。5月から6月にかけてリーグ戦6試合でも西川周作に替わって先発起用され、飛び級で東京五輪のメンバーに選出(※バックアップメンバーとして)された。五輪後は、ルヴァン杯でニューヒーロー賞を獲得。2021年はプロとして存在感を強めた年となった。
今年はここまでリーグ戦での出場はゼロだが、ACLではグループリーグ6試合のうちはじめの4試合に先発。また、先月行われたU23アジアカップではU21日本代表の正GKを務めた。
そんな鈴木を森保一監督は「浦和には日本代表が2人いる」と評価し選出。
A代表デビューを果たした鈴木は、ハイボールに“行く”、谷口彰悟との間に飛んだボールに“行く”、と積極的な姿勢をベースにしつつ、やや開いた位置での裏を狙われたボールは畠中槙之輔に任せて“行かない”、と行くか行かないかの連携でミスを起こさなかった。また、右サイドを駆け上がる味方へ素早いリスタートでロングパスを届ける場面もあり、自分の特徴を出しつつ、周囲の選手たちの求めにも応じる、という部分で安定していた。後半に一度ハイボールをキャッチしそこねたものの、危なげなく完封勝利で終えることができた、と言える試合だった。
■新しい時代はすぐそこまで来ている
いわゆる常連組が少ない今回の大会での試合は、準備期間も短く「ミスが起こるのは当たり前」(森保監督)の中で何をどこまでできるのか、というものになる。つまり、安定した・危なげない、という言葉で評されるパフォーマンスを実現させることは、この試合において難しいことだった。国際試合の経験値と将来性によって抜擢された鈴木は、そこを見事にクリア。
もちろん、谷口や畠中がそれを引き出した、という部分もあるだろうが、森保監督も試合後「良い集中で、攻撃も守備も絡んでくれた。勇気を持った良い飛び出しからピンチを防いでくれたし、クイックフィードでチームにリズムをもたらしてくれた」と称えた。