2度目サイクルにリーチかけた打席、桑原は平然と四球を選んだ■DeNA 10ー2 ヤクルト (17日・横浜) DeNAは1…

2度目サイクルにリーチかけた打席、桑原は平然と四球を選んだ

■DeNA 10ー2 ヤクルト (17日・横浜)

 DeNAは17日、本拠地・横浜スタジアムで行われたヤクルト戦に10-2で大勝し、3連勝を飾った。「2番・中堅」でスタメン出場した桑原将志外野手が、4打数3安打3打点。あと三塁打があれば自身2度目のサイクル安打達成──という活躍ぶりだった。昨季はもっぱら1番打者を務め、リーグ5位の打率.310をマークした桑原だが、今季は4月に新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱し、復帰後も打率2割前後を低迷。それでも6月以降息を吹き返し、最近6試合は2番として新たな役割に活路を見出している。

 三塁打が出れば、2018年の7月20日の阪神戦以来自身2度目のサイクル安打達成。桑原は大量8点リードで迎えた8回、先頭打者として千載一遇の打席に立った。「僕よりも周りの人がすごく意識していました。変わらずに僕らしく、いい打席を送ろうと思って打席に入りました」。その言葉通り、ヤクルト4番手の久保がストライクゾーン付近に投じた4球に、強引に手を出すことなく、ストレートの四球を選んで淡々と一塁へ向かった。三浦大輔監督は「あのように自分のスタイルを崩さず、打席に集中しているからこそ、今の状態があると思います」と称賛した。

 今季は3年目24歳の新鋭、蝦名達夫外野手が打撃好調で、17日現在打率.291、出塁率.357を誇る。今月10日の巨人戦以降、6試合連続で「1番・右翼」に定着。その間、桑原が「2番・中堅」で続き、23打数8安打、打率.348をマークしている。新1、2番コンビがチームを好調ぶりを支えている。三浦監督は「蝦名の状態も非常に良く、1番打者としての役割を果たしてくれている。粘ることができているし、出塁率もいい。その中でクワ(桑原)も、また違った役割でつないでくれている」とうなずき、「非常に落ち着いた1、2番です」と口元をほころばせた。

オースティン復帰でポジション争い激化?「うれしいことです」

 この日は2点を追う初回、蝦名は中飛に倒れるも、桑原はヤクルト先発サイスニードのチェンジアップが真ん中に来たところをとらえ、左翼ポールを直撃する2号ソロで反撃ののろしを上げた。3回には、先頭の蝦名が死球で出塁した直後、桑原は初球をセーフティーバントして三塁線方向へ転がし、本人が「プロ11年目で初めて決まった」と言うバント安打でチャンスを拡大。後ろへつなぐ意識が生んだ一打と言えそうだ。実際、この回一挙4得点の逆転劇につながった。

 そして6回、ヤクルト2番手・宮台の暴投で1点を追加した後、1死一、二塁で蝦名が投手強襲安打を放ち、満塁に。ここで桑原が右翼手の頭上を超える2点適時打を放ち、試合を決定づけた。

 ただしDeNAでは、開幕直前に右肘のクリーニング手術を受けて出遅れているタイラー・オースティン外野手が、復帰へ向けて2軍で着実に実戦を重ねている。本来の右翼レギュラーで主砲のオースティンが戻ってくれば、“名コンビ”の蝦名と桑原は、外野の一角を争うライバルに立場を変え、どちらかがベンチを温める可能性が高い。三浦監督は「悩みではなく、うれしいことです。オースティンも準備してくれているし、時期が来たら考えます」と話す。

 チームの“借金”は6月26日時点で今季最大の9まで膨らんでいたが、とうとう「1」となった。三浦監督が当面の目標としてきた“完済”が近づいている。2位から5位までが1.5ゲーム差内にひしめく“混セ”にあって、ベイスターズの存在感は日に日にます。その先頭を切って、桑原と蝦名が緊張感をみなぎらせながらチームを牽引している。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)