立大主将の山田健太内野手は今秋のドラフト上位候補 淡々と自分自身と向き合ってきた4年間だった。今秋のドラフト上位候補とし…

立大主将の山田健太内野手は今秋のドラフト上位候補

 淡々と自分自身と向き合ってきた4年間だった。今秋のドラフト上位候補として注目される立大・山田健太内野手は、大阪桐蔭高時代には根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)、柿木蓮(日本ハム)、横川凱(巨人)らとともに甲子園春夏連覇を達成。同級生4人がプロ入りする中で、山田は立大への進学を選択した。1年春からリーグ戦で活躍してきた“最強世代”の二塁手がドラフトイヤーを迎えている。

 春のリーグ戦を終えて通算75安打、7本塁打を記録。立大の中軸を担う、右の大型二塁手だ。大阪桐蔭では2年春から4季連続で甲子園に出場し、2年春と3年春夏に優勝。同級生の根尾、藤原らがドラフト1位指名を受ける中、山田は立大進学を選んだ。「元々中学ぐらいから、東京六大学の方で野球をしたいという漠然とした夢があったんです」。4年後のプロ入りを目標に掲げ、縦縞の伝統あるユニホームに袖を通した。

「同級生が4人もプロに行ったので、プロへの意識っていうのは必然と高くなりました。立教に入ったのも、4年後に絶対にプロに行こうという思いを持って入学しました」

 立大に進学すると、1年春に早速4番に座るなど、2本塁打を記録。早くも3年後のドラフト候補として視線が集まった。ここまでベストナインを2度受賞。順風満帆の大学野球生活に見えるが「うまくいかないこともたくさんあった」と振り返る。打率、打点は1年春がキャリアハイ。優勝は一度も経験できていない。

 今春は明大との優勝を決めるカードに敗れ、3位に終わった。山田は全試合で4番に座るも、1年秋以来となる本塁打0本に終わった。「チームが苦しい時にどれだけ打てるかというのが4番の仕事でもあり、キャプテンの仕事でもあると思います。そこの部分に関してまだまだかなと思います」。残る秋季リーグで、有終の美を飾ってプロ入りを目指す。

根尾、藤原…“最強世代”の同級生たちも苦しむプロの世界

 甲子園春夏連覇をともに成し遂げ、頼もしかったチームメートも苦戦するプロ野球の世界。同級生の活躍は日々チェックはするが、対抗心を抱くことはなかった。「本当に自分がどうするかっていうのをずっと考えていて、周りは周り、人は人という感じですね」。高校時代とは違い、大学では自主練習の時間も多い。そんな中で、山田が一番時間を費やしたと語るのが打撃の探求だっだ。

「バッティングの正解っていうのはないっていうのは分かっているんですけど、打てる選手っていうのは常に打っているわけで、そこに何か違いであったり、共通点っていうのは多分あるんだろうなと」

 入学直後には木製バットへの対応のため、1学年上で昨年度の主将でもある太田英毅外野手からアドバイスを貰い、バットをしならせる感覚をつかむために体の使い方を変えた。「試行錯誤なんですけど、これは多分違うからやらないとかではなく、1回やってみて、やって失敗して、でもこれはよかったなとか。いろんな引き出しをたくさんこの3年半で作れているのはいいところかなと思います」。他にも幾度も大学代表合宿に参加し、技術を吸収する場も多く経験。実りのある大学生活だった。

「本当に(プロは)甘い世界ではないので、どれだけ自分の芯をぶらさずに、自分を信じて、どれだけ自分のプレーをできるのかっていうのが一番大事だと思っています」。周りに流されず、自分自身と向き合い、成長してきた4年間。この経験を生かして、かつてのチームメートと同じ舞台に足を踏み入れる。

◯山田健太(やまだ・けんた)2000年7月19日生まれ。愛知県出身。小学2年時に東筑ライオンズに入団し、中学では東海ボーイズでプレー。大阪桐蔭高では2年春から4季連続で甲子園に出場し、3度の優勝を経験。4年時には根尾昂(現中日)、藤原恭大(現ロッテ)らとともに春夏連覇。立大では1年春からリーグ戦に出場し、ベストナインを2度受賞。身長183センチ、86キロ。好きな芸能人は「とんねるず」。好きなアーティストは「スピッツ」。好きな女優は永野芽郁さん。(上野明洸 / Akihiro Ueno)