日本航空石川で女子マネジャーを務める笠原美怜さん 第104回全国高校野球選手権大会は8月6日に甲子園で開幕する。高校入学…

日本航空石川で女子マネジャーを務める笠原美怜さん

 第104回全国高校野球選手権大会は8月6日に甲子園で開幕する。高校入学時から新型コロナウイルスの影響を受けた球児たちは夢舞台を目指し、各地で熱い戦いを繰り広げている。今回、Full-Countでは2年半、選手たちを支えてきた女子マネジャーの胸中に迫った。

 日本航空石川高で女子マネジャーを務めている笠原美怜さん(3年)。夢であるキャビンアテンダント(CA)を目指すため、地元・福井から航空業界で働く人材を育てる同校に入学した。コロナ禍もあり、当初は自宅でオンライン授業を受ける日々で、入学は6月と大幅に遅れることになった。

「CAになりたくて受験しました。スポーツにも力を入れている高校とは知っていましたが、当初は野球部のマネジャーになることは想像していませんでした。ですが、すごい活気でみんなの顔がキラキラしていた。今までみたことない雰囲気で『やってみたい』と思いました」

 同高では基本的に希望があれば、1学年1人の女子マネジャーを入部させていている。この学年は笠原さんを含め、5人が応募したという。部員と同じく休みは月曜日の週1日だけ。道具の整理や約100人の選手への補食の準備など、野球部へのサポートは生半可な気持ちでは務まらないもの。中村隆監督は希望する生徒に、2度の面接を行ったという。

修学旅行と野球部の遠征の日程が重なっても選択は…

「思っている以上に大変だけど、本当にできるか?」「勉強との両立は難しいぞ」「なんで野球部に入りたいんだ?」。何度も意思を確認した。笠原さんたちは約1か月間、野球部を見学し“合格発表”が行われる最終面接にたどり着いた。

「友達と一緒に受けていたので『どっちが受かっても恨みっこなしね』と約束しました。監督室に1人1人、呼ばれて。出てきた子たちの中には泣いてる子もいた。まさか自分が選ばれるとは思っていませんでした。嬉しい気持ちと『みんなの分までしっかりやらないといけない』と責任感がありました」

 笠原さんが入学してから同校は甲子園には出場できておらず、今夏が最後のチャンス。7月上旬には北海道への修学旅行があったが、野球部は同じ日程で、県大会に向けての最終調整となる福井遠征が重なっていた。

「今まで女子は遠征に行けなかったのですが、この遠征には3年生全部員と女子マネも参加がOKでした。最初で最後の遠征にどうしても行きたくて。最後の夏に向けて頑張っているチームの雰囲気も見たかった」

「みんなには悔いなく終わってほしい。最後までしっかりサポートしたい」

 夏の石川県大会に向け、敦賀気比などとの強豪と練習試合を行い、全勝で遠征を終えた。入学時から共に歩んできた仲間たちの姿を目に焼け付け「やっぱり来て良かったなって。いつもと違う雰囲気でチームが1つになっていた」と、選んだ道が間違いじゃなかったと実感した。

 野球に関わるのは高校が最初で最後。笠原さんは夏の大会を最後に受験勉強に入る予定だ。「みんなには悔いなく終わってほしい。最後までしっかりサポートしたい。甲子園のベンチに入って応援できれば最高です」。青春を捧げてきた高校野球。コロナ禍を乗り越えた仲間と過ごす時間はまだ終わらない。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)