エンゼルスが敗れるとSNSで使われる「Tungsten Arm O'Doyle」 大谷翔平投手が在籍するエンゼルスが苦しんでいる。ここまでア・リーグ西地区4位に沈み、ワイルドカード圏内とは7ゲーム差とプレーオフ進出が危ぶまれている…

エンゼルスが敗れるとSNSで使われる「Tungsten Arm O'Doyle」

 大谷翔平投手が在籍するエンゼルスが苦しんでいる。ここまでア・リーグ西地区4位に沈み、ワイルドカード圏内とは7ゲーム差とプレーオフ進出が危ぶまれている。投打二刀流で大谷が奮闘してもチームが勝てない試合も多く、日本のファンの間でも「なおエンゼルスは敗れた」との言葉から「なおエ」の3文字がSNS上などで使われるようになっている。

 日本では「なおエ」が広く知られるようになっているが、実は米国内でも大谷やトラウトの活躍が白星に繋がらない状況を示す“米国版なおエ”とも言える表現が生まれている。SNS上などで使われているのが「Tungsten Arm O’Doyle」という表現。米スポーツ専門メディアはこの「Tungsten Arm O’Doyle」が生まれた背景を「いかにして“タングステン・アーム”オドイルのツイートがエンゼルスの敗戦を体現することになったか」と特集している。

「ジ・アスレチック」によると、この表現を使い始めたのは、カナダ・トロント在住でブルージェイズファンのマット・イングリッシュさん。2021年に自身のツイッターで「エンゼルスのハイライトを見るといつも『マイク・トラウトが3本塁打を放って打率を.528に上げ、ショウヘイ・オオタニが1921年、アクロン・グルームズメンの“タングステン・アーム”オドイル以来となることを成し遂げ、タイガースがエンゼルスに8-3で勝利した』って感じだ」とツイートしたのが始まりだ。

 ここに出てくるチーム名「アクロン・グルームズメン」も選手名「“タングステン・アーム”オドイル」も実際には存在しない“架空”の名前。大谷がMLBの歴史でも類を見ない投打二刀流という偉業を成し遂げていることから、記事ではイングリッシュさんが「オオタニは毎試合のように1世紀は起こらなかったことをしているように感じるため、昔の野球選手っぽい名前を考えた」と言及している。

「ジ・アスレチック」は「多くの面で今年のエンゼルスを体現している」と指摘

 2021年に投稿したこのツイートが、次第に拡大していき、1年が経った現在では1万以上のリツイートと5万近くのいいねを集めるように。さらに、大谷やトラウトが活躍しながらエンゼルスが敗れる“なおエ”が起こるとこの「Tungsten Arm O’Doyle」とつぶやくツイートが数多く見られるようになっている。

「ジ・アスレチック」の記事では「これは確かに面白い。しかし、多くの面で今年のエンゼルスを体現している。これは風刺であるが、同時にエンゼルスにとって不愉快な事実に基づいている」と指摘。大谷とトラウトがそれぞれオールスターに選出される成績を残しているにも関わらず、エンゼルスが38勝49敗と大きく負け越している現状も伝えている。

 5月29日(同30日)のブルージェイズ戦は大谷が2本塁打を放ちながら、チームは敗戦。6月28日(同29日)のホワイトソックス戦、7月8日(同9日)のオリオールズ戦では大谷とトラウトの“トラウタニ弾”が飛び出すも敗れ、大谷が1人で2本塁打8打点を挙げながらも敗れた6月21日(同22日)のロイヤルズ戦もその代表例として挙げられ、記事でも「ここ数週間のうちにタングステンの伝説を高めるだけの試合が数多くあった」と記されている。

 考え出したイングリッシュさんは「“タングステン・アーム”ゲームであるためには、オオタニが、できればオオタニとトラウト両方が、なにか素晴らしいことをする必要がある。そのうえでエンゼルスは負けなければいけない。できれば相手は弱いチームがいい。これが観念上の理想的な“タングステン・アーム”ゲームだ」と語る。日本では「なおエ」、米国では「Tungsten Arm O’Doyle」。大谷とトラウトがどれだけ活躍しようとも勝てないエンゼルスの現状を、ファンは憂いているようだ。(Full-Count編集部)