【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・7/10 プロキオンS(GIII…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・7/10 プロキオンS(GIII・小倉・ダ1700m)
中団から徐々に位置取りを上げたゲンパチルシファーが直線で抜け出しました。これで小倉競馬場では6回走って5回馬券圏内に入ったことになります。
父トゥザグローリーは重賞を5勝したほか有馬記念でも3着となった実力馬。東京新聞杯を勝ったカラテの父でもあります。産駒はこれまでJRAの平地競走で45勝していますが、芝18勝、ダート27勝という内訳で、アベレージもダートのほうが良好です。
本馬は近い世代にミスタープロスペクター、デピュティミニスター、サンデーサイレンスを併せ持つので、昨年1、3着となったメイショウカズサ、メイショウウズマサと配合の骨格がよく似ています。小倉ダート1700mに向いた構成といえるでしょう。
◆今週の血統Tips
2歳戦が始まって1ヵ月あまり。今週、早くも函館2歳Sが行われます。ここまでの2歳戦で最も多くの賞金を稼いでいる種牡馬はエピファネイア。勝利数の5勝もトップです。この時期のランキングは、どれだけ多くの産駒がデビューしたか、という勝負でもあり、エピファネイア産駒はすでに20頭出走しており、2位ビッグアーサーの15頭を大幅に上回っています。
早い時期に産駒をデビューさせることができる種牡馬は、早熟タイプといわれることもありますが、見方を変えれば体質が丈夫である証拠。身体に痛いところがあったり、順調に調教を積めない馬は、デビューすることなどできません。エピファネイアはそうした面で優れたものを伝えているといえるでしょう。
賞金ランキング2位はダノンバラード、3位キンシャサノキセキ、シルバーステート、5位ビッグアーサー。新種牡馬の第1位は意外にもデクラレーションオブウォーです。日本軽種馬協会静内種馬場に繋養されているウォーフロント産駒で、9回走って2勝、2着3回という好成績。アベレージも回収率も優秀ですから馬券的に狙って面白い種牡馬でしょう。とはいえ、競馬にたとえればまだ1コーナーにも達してない序盤戦。現時点の成績で成功だの失敗だのを判断するのは早すぎます。