■7月6日/明治安田生命J1第20節 鹿島 3-3 C大阪(カシマ) 鹿島アントラーズは、ホームに迎えたC大阪と打ち合い…
■7月6日/明治安田生命J1第20節 鹿島 3-3 C大阪(カシマ)
鹿島アントラーズは、ホームに迎えたC大阪と打ち合いを演じた。先制点を許すも鹿島が逆転、ところが今度はアウェイチームに逆転される苦しい状況に。土壇場で追いつくことに成功して勝ち点1を手にしたが、勝ち点を「1」しか積み上げられず、横浜FMとの差は「5」に広がった。
■両サイドバックとエースが大仕事
試合終了を告げるホイッスルがピッチに鳴り響くと、鹿島の選手は一様に顔をしかめた。敗戦濃厚だった試合終了間際、FWエヴェラウドのスーパーゴールで黒星を回避したとは思えぬ空気感だった。
この試合の先制点は、意外な形で許した。前半35分、CBのキム・ミンテがGKクォン・スンテに戻したボールがそのままゴールネットを揺らしてしまったのだ。MF奥埜博亮が入れた縦パスをFWアダム・タガートがキープ。そのトラップが巧みだったために起きた事故だった。
まさかの失点ではあったが、鹿島としては先制点を許した以上に苦しんだ前半だった。C大阪は鹿島のボールホルダーを常に複数で囲いこんで、パスワークを寸断。ホームチームがいい形で前線にボールをつなげる場面はかなり限られていた。加えて、鹿島らしく前線の選手が人数をかけて高い位置までプレッシャーをかけたい場面でも、一時的に最終ラインの数を増やすなどの対策が練られていた。
前半終了間際に鹿島がアルトゥール・カイキのゴールで同点に成功したのは、最初の45分でおそらく唯一のチャンスだった。このセットプレー崩れからの得点によって、鹿島は同点で折り返すことに成功した。
■両サイドバックが演出した鹿島の逆転弾
「もっと圧力をかけよう」
レネ・ヴァイラー監督がハーフタイムにこう言って送り出した鹿島イレブンは、後半、積極的なプレーを見せた。そして52分、逆転に成功する。右サイドでの常本佳吾のボールカットから、広瀬陸斗がファーにクロスを送る。これを、鈴木優磨が高々としたジャンプで胸トラップすると、そのままシュート。次の瞬間にはゴールネットが揺れていた。常本と広瀬の両サイドバックがヴァイラー監督の指示通りに見せた攻撃的な姿勢が、鹿島を逆転に導いたのだ。
しかし、鹿島はまたしてもC大阪にリードされる。70分に加藤陸次樹が同点弾を、77分にジェアン・パトリッキが逆転弾を決めたのだ。気温は23度ながら湿度90%のカシマのピッチで、しかも、アウェイ戦だった前節から中3日の試合ということを考えれば、万事休すかと思われた。
ここでチームを救った一つの要因は、指揮官の攻めの采配だった。2−1とリードした場面で、ヴァイラー監督はFWエヴェラウドとMF樋口雄太という攻撃的な選手を投入していた。アンカーでフィルター役をこなしていたMF三竿健斗がいなくなったことで守備面に綻びが生じた場面もあったが、試合終了間際に同点弾を決めたのはエヴェラウドだ。
土壇場の場面で決めたバイシクルシュートが、相手GKの頭上を越えてゴールネットを揺らしてみせた。劇的にしてビューティフルなゴールは、「声出し応援」の実証実験が行われたカシマスタジアムの興奮を最高潮まで高めた。
■ドローで首位との勝ち点差広がる
劇的な同点だったとはいえ、優勝争いを演じる鹿島アントラーズとしては悔しさの方が勝るものだった。鈴木は、「今日みたいな引き分けは、僕個人としてもアントラーズを見ている人としても納得できない」と不満を露わにしたうえで、こうも続けた。
「何人が僕と同じ気持ちを持って次の試合に臨めるか。それが、鹿島が鹿島であらなければいけない理由」
負けは逃れたものの手痛いドローとなったことで、首位・横浜FMとの勝ち点差は「5」に開いた。消化試合の少ない川崎フロンターレは勝ち点34で鹿島とは勝ち点差4。優勝奪還に向けて、負けられない試合が続くことになる。
「ロッカーで(この試合について)何か言うと、今日に限っては感情論で話すだけになると思うので、今日はぐっとこらえて、またみんなで落ち着いたときに話せたらいい」
チームに闘う気持ちをもたらす背番号40からこの言葉が出る限り、常勝軍団は崩れない。