6.16新宿大会からスタートしたKING OF DDT 2022。6.19後楽園で2回戦に勝利し準決勝進出者は秋山準・樋口和貞・上野勇希・吉村直巳の4選手。2014年DDTは「若手主体のプロジェクト」としてDNA(DDT NEW ATTIT…

6.16新宿大会からスタートしたKING OF DDT 2022。6.19後楽園で2回戦に勝利し準決勝進出者は秋山準・樋口和貞・上野勇希・吉村直巳の4選手。2014年DDTは「若手主体のプロジェクト」としてDNA(DDT NEW ATTITUDE)を発足。そのメンバーとして活躍した樋口・上野・吉村。高木三四郎社長は「DNAで活躍した選手がKING OF DDTの準決勝に3名いるのは感慨深い」と話した。竹下幸之介や遠藤哲哉、HARASHIMAがいないKING OF DDT 2022の準決勝・決勝はDDTの新時代を予感させる戦いだった。

■KING OF DDT 2022準決勝 第1試合(時間無制限1本勝負)
○吉村直巳(10分46秒 体固め)上野勇希●

準決勝 第1試合は元タッグパートナー同士のノーチラス対決。ここまでシングル対戦は吉村が全勝。

吉村は1回戦クリス・ブルックス、2回戦HARASHIMA、そして準決勝が上野勇希と対戦選手がシングルタイトル戴冠者。

【DDTプロレス 吉村直巳(1)】僕が「KO-Dタッグベルト返上」を言い出した時、HARASHIMAさんは「カッコいいね!」と理解してくれました

かたや上野は1回戦KANON、2回戦佐々木大輔と曲者を相手にトーナメントを勝ち上がってきた。地上波バラエティー番組にThe37KAMIINAで出演、プロレスに興味を持ち会場に足を運んだ新規ファンの前で負けるわけにはいかない。

【DDTプロレス 上野勇希】The 37KAMIINAはお互いの存在が活力になっています

吉村はヘッドロックで上野を締め上げつつ、胸に拳を落とす攻撃で上野の心を削る。パワーで吉村に劣る上野は立体攻撃で吉村を追い込んでいく。だが10分過ぎ、吉村が払い腰から一気に畳み掛け上野からカウント3を奪い、初の決勝進出を決めた。

■KING OF DDT 2022準決勝 第2試合(時間無制限1本勝負)
○樋口和貞(14分28秒 片エビ固め)秋山準●

準決勝 第2試合、秋山vs樋口。両者の対決は昨年3月KO-D無差別級王者の秋山に樋口が挑戦。この時は秋山が勝利、敗北した樋口は秋山の腰にベルトを巻かされる屈辱を味わった。

【DDTプロレス 樋口和貞】DDTの選手としてやるべきことをやろうと思い直し、2人と握手しました

樋口は今年のKING OF DDT前のインタビューで「2021年3月の秋山準戦で自分の中の何かが止まっている。そこをリベンジしないと先に進めない。」と話した。止まった時計を動かすためにも秋山に勝って決勝に進み、KO-D無差別級王者として遠藤の復帰を待ちたい樋口。

その秋山は膝を使った攻撃で樋口の体力を奪う。樋口はパワー殺法で秋山に繰り出すが、一瞬の隙を付く秋山の攻撃の前に追い込まれていく。

秋山の執拗な膝での攻撃を耐えた樋口はラリアット2連発からブレーンクロー・スラムでカウント3。決勝に駒を進めた。

■KING OF DDT 2022決勝戦(時間無制限1本勝負)
○樋口和貞(18分55秒 体固め)吉村直巳●

吉村はDISASTER BOXのHARASHIMA・大鷲透・平田一喜と入場。樋口はEruptionの坂口征夫・赤井沙希・岡谷英樹と姿を現しメンバーのガウンを集め、リング上でコールを受ける樋口。

吉村は準決勝前のインタビューで「これまでの思いだと樋口さんにKO-D無差別級ベルトを巻いて欲しい。でも今回に関しては相手が誰であろうと俺が決勝に行くしKO-D無差別級ベルトは俺が貰うと思っています」とコメント。その言葉通り、このトーナメントからリング上での吉村が変わった。6.19後楽園でHARASHIMAに勝ったことで、さらに自信が加わったように感じた。

樋口は6.12 CyberFight FESTIVALで、試合中のアクシデントにより遠藤哲哉が脳震盪を起こした姿を目の当たりにした。記者会見でKING OF DDTトーナメントを優勝し遠藤が返上したKO-D無差別級ベルトを獲得、DDTのトップとして遠藤の復帰を待つことを約束。

試合はパワー対パワーのぶつかり合い。中盤、会場からどよめきが起きる2人のチョップ合戦。解説席の彰人曰く「丸藤正道さんは切り裂くチョップ、火野裕士さんは丸太のような重いチョップ。樋口は両方持っているハイブリッドなチョップです」と解説。そのチョップが吉村の胸を切り裂く。

最後は吉村の払い腰を防ぎ、樋口が必殺のブレーンクロー・スラムを炸裂させカウント3。樋口がKING OF DDT 2022を制し、第79代KO-D無差別級王者に輝いた。

試合後、秋山が登場し樋口の腰にベルトを巻いた。昨年3月以降止まっていた何かが動き出した瞬間だった。そして高木三四郎社長がリングに登場、6.12 CyberFight FESTIVALで樋口が手にしていた旗を渡され「DDTの強さの象徴としてDDTを引っ張っててくれ」とDDTの未来を託された。

マイクを手にした樋口はEruptionのメンバーやファンに感謝し「(8.20)大田区のリングで挑戦者・遠藤哲哉を自分は王者として待ちたいと思います」と前王者・遠藤哲哉にメッセージを送った。

DNA世代の台頭により新時代の到来を予感させたKING OF DDT 2022。ここからDDTの新章が始まる。

<インフォメーション>
7.24後楽園ホール「Summer Vacation 2022」で遠藤哲哉選手復帰が決定。また大石真翔選手の復帰戦やDDT UNIVERSAL選手権試合 王者・高梨将弘vs挑戦者・岡田祐介の一戦も行われる。

詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください!
なお試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで配信されます。

樋口和貞 Twitter
吉村直巳 Twitter
DDTプロレスリング Twitter

取材・文・編集/大楽聡詞
写真提供/DDTプロレスリング