元巨人・石井義人氏は2015年から2年間、BCリーグ・武蔵でコーチを務めた 独立リーグ経験者が、NPB各球団にとって貴重…

元巨人・石井義人氏は2015年から2年間、BCリーグ・武蔵でコーチを務めた

 独立リーグ経験者が、NPB各球団にとって貴重な戦力となっている。ソフトバンク・藤井皓哉投手がNPBでは4年ぶりの白星をつかみ、阪神・渡邉雄大投手はプロ初勝利。2人ともチームに欠かせぬリリーフ投手だ。現役時代に横浜(現DeNA)、西武、巨人の3球団で広角打法を披露し、引退後には独立リーグでコーチを務めた石井義人氏が、“苦労人”たちが活躍できる理由を分析した。(成績は全て30日現在)

 石井氏は2015年から2年間、BCリーグ・武蔵で打撃コーチを担当した。NPBでは西武時代の2005年に打率3割をマークし、巨人時代の2012年には代打で驚異の打率.405(37打数15安打)をマーク。独立リーグと華やかなNPBの違いを肌で知っている。

 技術レベル、練習や試合開催の環境、給与など待遇の差は大きい。石井氏は「独立リーグに入ったことだけで満足してしまい、練習も言われたことしかやらない選手がいる。本当にNPBに行きたいのなら、目標を持って死ぬ気で取り組むしかありません」と自分に厳しい姿勢が必要と説く。

 藤井は25歳。独立リーグで己を磨き直し、NPBに復帰した。おかやま山陽高から2014年ドラフト4位で広島に入団するも、通算6シーズンで1勝に終わり、戦力外となった。昨年は四国アイランドリーグplus・高知に在籍し、ソフトバンク3軍との交流試合でノーヒットノーランを達成した。

 今季はソフトバンクに育成選手として加わり、開幕直前に支配下登録された。角度があり、キレ味鋭いストレートを軸に、3月27日から6月8日にかけて21試合連続無失点をマーク。28登板で4勝0敗1セーブ8ホールド、防御率0.61の好成績を残している。

NPB球団の3軍との交流活発化が「大きい」

 藤井について石井氏は「独立リーグで『絶対にNPBに戻りたい』という気持ちを保ち続けたからこそできたのだと思います」と覚悟の程を推察。「最近はNPB3軍などとの交流試合が増えてきたことも大きい」と見る。NPB入りを狙う独立リーグの選手にとって、交流試合はレベルを体感でき、結果を残せばアピールにもなる。NPB球団側も獲得したい選手の実力が測れる。互いに貴重な指標を得られる機会と言える。

 渡邉は30歳。中越高、青学大を経てBCリーグ・新潟で4年間を過ごした。2017年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団し、2020年に支配下契約。1軍登板を果たしたものの、昨年オフに戦力外となった。それでも阪神に育成入団し、今季開幕直前に支配下登録を勝ち取った。

 左の変則サイドスロー。石井氏は独立リーグのコーチ時代に対戦もしている。自身が左打者だった経験を踏まえ「左打者から見ると、自分の背中の方から手が出てくるような投げ方でした。自分にボールが当たりそうで怖いと感じたでしょう」と振り返り、対策を選手に伝えても攻略は難しかったという。

 当時と同様のフォームで、NPBの猛者を翻弄する渡邉。26登板で3勝1敗7ホールド、防御率2.25の成績を残す。石井氏は「自分で磨いた、一芸に秀でた投球。生き残るために何をアピールできるのか、自分の持ち味をよく知っています」と説明する。

 他にもBCリーグ・富山出身の22歳右腕、阪神・湯浅京己投手が30登板で1勝2敗21ホールド、防御率1.61とブレーク中。独立リーグ出身の男たちのプレーに今後ますます注目が集まりそうだ。

○石井義人(いしい・よしひと)1978年7月12日生まれ、埼玉県出身。浦和学院(埼玉)では1年夏から甲子園に出場。1996年のドラフト4位で横浜(現DeNA)入り。2002年に西武へ移籍。2005年は規定打席に到達し、打率.312、リーグ4位の成績。2012年から巨人でプレーし、同年CS最終ステージでMVP。現役引退後はルートインBCリーグ・武蔵の打撃コーチ、女子プロ野球の野手総合コーチとして活動。昨年は学生野球資格回復。現在は埼玉県内で「ジャッキー33野球教室」を開講中。公式インスタグラムは@jackie___335(jackieの後はアンダーバー3つ)(西村志野 / Shino Nishimura)