最速150kmの元早実エース内田聖人氏は野球アカデミー「NEOLAB」を運営 早稲田実業高の元エースで、野球アカデミー「…
最速150kmの元早実エース内田聖人氏は野球アカデミー「NEOLAB」を運営
早稲田実業高の元エースで、野球アカデミー「NEOLAB」を都内で運営する内田聖人さんは「打者を抑える方法」を少年野球の子どもからプロまで指導している。その中で「球速」は4つあるメインテーマの1つにすぎないという。上のカテゴリーになるまでは不要と思われがちな打者との駆け引きや投球術は少年野球でも重要で、子どもたちに気付かせる指導が大切と考えている。
早実で甲子園に出場した内田さんの野球アカデミーは口コミで評判が広がり、少年野球の子どもたちからプロまで幅広い世代が通っている。現役時代は最速150キロの投手で、さらに現役を退いてから硬式で154キロ、軟式で155キロを記録したとあって球速を上げたい投手が集まってくる。
内田さんは、球に無駄なく力を加える方法を追い求めている。結果的に怪我のリスクを抑えながら、球速をアップさせる方法につながっている。ただ、スピードだけでは打者を封じられないと自身の経験から理解している。「150キロの球でも、どのコースに来るか分かっていれば打者は対応できます」。
指導の大きなテーマには「打者を抑える方法」を掲げ、球速は全てではなく1つの要素に過ぎないと捉えている。内田さんは球速のほかに「制球」「組み立て」「マウンド技術」を大切にしている。
「打者を抑えるには、コントロールや変化球を含めて、どのように投球を組み立てるかデザインが重要です。それから、マウンド上での間。投球する前から打者とのタイミング、駆け引きは始まっています。今はデータ化や数値化が進んでいますが、心理面の駆け引きはこの先も数値化できないかもしれません。そういう部分も選手と一緒に取り組んでいきたいです」
モットーは“選手の引き出しを増やすための気付かせる”指導
投球の組み立てや打者との駆け引きは、高度な知識や技術が必要になる。内田さんは小、中学生の世代にも必要だと指摘する。腕の位置を下げて投げたり、走者がいなくてもクイックを使ったり、打者を封じる“術”を早い時期から意識すれば、将来に生きる。
内田さんは「小学生だからといって、打者との駆け引きをやらないというのは疑問があります。クイックにすると極端に球速が落ちるようなら、先にやるべき課題があるかもしれませんが、大人になって急にやろうとするからクイックで制球を乱したり、球速が遅くなったりするのだと思います」と語る。
ただ、子どもたちにはマウンド技術を教え込むよりも、気付かせる指導法が有効だと考えている。練習メニューに何気なくクイックを組み込んで、打者が差し込まれる場面を作る。同じ球速でもタイミングをずらせば相手を打ち取れると、子どもたちに感じさせるのだ。
「『やれ!』と言うのではなく、気付くきっかけを作れば、選手の引き出しになります」と内田さん。球速が投手の武器になるのは間違いない。しかし、スピードだけでは通用しない時が来ると、かつてプロを目指した150キロ右腕は知っている。(間淳 / Jun Aida)