国内ツアー「アース・モンダミンカップ」第3日 女子ゴルフの国内ツアー「アース・モンダミンカップ」は25日、千葉・カメリアヒルズCC(6639ヤード、パー72)で第3日が行われ、9位から出た金田久美子(スタンレー電気)は4バーディー、1ボギー…

国内ツアー「アース・モンダミンカップ」第3日

 女子ゴルフの国内ツアー「アース・モンダミンカップ」は25日、千葉・カメリアヒルズCC(6639ヤード、パー72)で第3日が行われ、9位から出た金田久美子(スタンレー電気)は4バーディー、1ボギーの69で回り、通算5アンダーで単独2位に浮上。通算7アンダーで首位のささきしょうこ(日本触媒)と2打差で迎える最終日で2011年のフジサンケイレディス以来となるツアー2勝目を目指す。

 キンクミが一気に優勝争いに加わり、笑みがはじけた。

「60台で回れたので、大満足です!」

 暑さ対策で白のシースルーウェアをまとった金田は、2番パー4で3日続けて幸先良くバーディー。3番パー4、9番パー3でもスコアを伸ばし、後半へ。12番では残り20ヤードから絶妙なショットコントロールでチップインバーディー。ギャラリーを沸かせた。

 15番パー3で10メートルを3パットしてボギーとしたものの、前日に続く強い風で各選手がスコアメークに苦しむ中で69。「(風対策は)無理しないこと。ピンを狙いところでも無理せずに」と我慢のゴルフで2位に浮上した。

 昨年はぎっくり腰を引きずり、思うようなスイングができず。オフは体のメンテナンスと体幹トレーニングでケア。「治ってはいないけど、去年に比べたらゴルフはできている。(成果は)出てます」と手応えを掴んでいる。

 8歳で世界ジュニア選手権を制し、「天才少女」として騒がれた金田も32歳に。近年はシード権を喪失し、2020年から下部ツアーが主戦場になった。それでも、主催者推薦する今季はパナソニックレディースで9位など、上位に顔を出して復調の気配を漂わせる。

「2回連続QTも失敗して、スポンサー、お世話になっている方に推薦もしてもらって……試合に出られること当たり前じゃない。感謝の気持ちを持つことで前向きにゴルフができるようになった。以前はゴルフが本当につらかったけど、今はたまに楽しくなった」

年齢を重ねることで生まれた変化「以前はスコアばかりにこだわっていた」

 もともとは勝ち気で妥協を許さない性格。しかし、年齢を重ねることで変化が生まれた。

「どれだけ疲れていても練習しなきゃいけないと思っていた。休むことも勇気の一つ。それが、自分の年と向き合う中で、最近は(休養も)できるようになった。腰が痛くても、練習もトレーニングもしなきゃ、と。それで、より痛めていたこともあったので」

 ゴルフへの向き合い方も変わった。

「悪くてもゴルフができるだけでいいかと思える瞬間も出てきた。去年はスイングもできなかったけど、今はゴルフができている。腰の状態が悪くないから前向きになれる。以前はゴルフができるのも体が動くのも当たり前。スコアばかりにこだわっていたので」

 年齢を感じる瞬間もあり、「疲れますね、本当に」と吐露。「18ホール、(今日は)特に風で、いろいろ考える。睡眠も浅くなった。昔は9時間半とか10時間とか寝られたけど、7時間で目が覚めたり。痛い箇所も治りづらかったり。年を感じますね」と笑ったが、表情には充実感が漂った。

 ラウンド直後の会見で最終日最終組の可能性を伝えられると「ああ、ホントだ。そこまで見てなかった」と驚いたが、11年ぶりの2勝目は手が届くところにある。

「明日も風が吹くと思うので、無理せずパーを狙って、耐えて……というゴルフで頑張りたい。そして、自分のゴルフに集中すること。自滅しないで、悔いのないように。ただ耐えるゴルフを集中してやりたい」

 幾多の苦難を乗り越え、戦い続ける32歳。最終ラウンドに持てるすべてを懸ける。(THE ANSWER編集部)