今年4月にフジテレビのスポーツ・ニュース番組『S-PARK』の新キャスターに就任した佐久間みなみアナウンサー。担当して2カ月半が経った今、スポーツを仕事とすることにどんな気持ちを抱いているのか聞いてみた。また自身のスポーツ経験やアナウンサー…

今年4月にフジテレビのスポーツ・ニュース番組『S-PARK』の新キャスターに就任した佐久間みなみアナウンサー。担当して2カ月半が経った今、スポーツを仕事とすることにどんな気持ちを抱いているのか聞いてみた。また自身のスポーツ経験やアナウンサーとしての心構えなどについても語ってもらった。

フジテレビ・佐久間みなみアナウンサー
インタビュー後編
前編はこちら>>目指すスポーツキャスター像は「知らないということも武器になる」



インタビュー後編では佐久間みなみアナに、自身のスポーツ歴などについて聞いた

──佐久間アナウンサーのスポーツ歴を教えてもらえますか?

佐久間みなみ(以下・佐久間) 小学生の時に新体操を6年間やっていて、あと小学4年生からフィギュアスケートを中学1年生ぐらいまでやっていました。選手というわけではなく発表会に向けて練習するといった程度です。新体操はリボン、フープ、ボール......すべてやっていました。一緒に習っていた友達がその後、選手コースに進んだのですが、話を聞くと、練習はもちろん、体重管理が大変だそうで、本当に過酷な競技だなと思った記憶があります。

──フィギュアスケートを始めたきっかけは?

佐久間 実は母がやりたいということで、一緒にやろうと半ば無理やりでした(笑)

──確か名古屋ご出身。フィギュアが盛んな土地ですよね。

佐久間 そうなんです。浅田真央さんも名古屋出身ですし、私のいたリンクでは鈴木明子さんが練習をしていました。小学校を卒業してから私はアメリカに行ったのですが、そこで住んだ地域でもスケートが盛んで、冬になるとみんなスケートリンクに行くんです。だから私も遊び感覚で滑っていました。

──アメリカはどちらだったんですか?

佐久間 ペンシルバニア州ピッツバーグの近郊です。そこで高校の途中まで過ごしました。

──アメリカ北東部、厳しい寒さもあってスケートをするのが当たり前の環境なんでしょうね。

佐久間 はい。本当に身近にスケートがあるといった感覚でした。

──フィギュアにはトゥーループやサルコウ、ルッツなどのジャンプがありますが、素人にはわかりづらいものがあります。佐久間さんは、判別できるわけですか?

佐久間 やはりとっさに判別するのは難しいですね。そのあたりは改めて勉強をして、今後仕事に活かしていきたいと思います。

──その後は何かスポーツは?

佐久間 その後、日本に帰国をして過ごした大学時代も含め、これといったスポーツはしていないんです。ただアメリカ時代は、走るのが好きだったのでよくランニングはしていました。あと今もジムで体は動かしています。実は嗜む程度ですがキックボクシングをはじめまして......。

──えっ、キックボクシングですか⁉

佐久間 以前から興味を持っていたんです。華やかなキックに威力のあるパンチ、ぜひやってみたいなと。

──それは意外でした。

佐久間 ただ体幹の筋力がなさ過ぎて、いつもフラフラしています。2分2ラウンドやると「もう無理です」という感じです(笑)。想像していたのとはまったく違って、やはりやってみて改めて難しさや大変さを知りました。

──行動派のキャスターになれそうですね。そもそもアナウンサーを目指したきっかけは何だったんですか?


佐久間

 いろんな小さなきっかけが積み重なってのことなのですが、最初はアメリカ時代にアンダーソン・クーパーさんに憧れたことが大きかったです。

──アメリカのジャーナリストであり、CNNの人気アンカーマンですね。

佐久間 はい。自分の名前を冠した『Anderson Cooper 360°』という報道番組をよく見ていて、体を張っていろんな現場に向かう姿にとても興味を持ったんです。13~14歳の頃だと思います。クーパーさんは現場のことを伝えるだけではなく、番組中に意見の相違があったときに共演者と激しい口論になったり、ポリシーを持ってニュースと向き合うアンカーの仕事ってすごいなと感じました。またいろんな人の意見も飛び交いますし、そういう世界はおもしろいなとも思いました。日本ではなかなかできない番組だとは思うのですが(苦笑)

──多感な時期にアメリカで過ごしましたが、自己主張をしないと埋もれてしまう国にいたことで、物事の見方や性格の変化のようなものはあったのでしょうか。

佐久間 ありました。小学生の頃は人見知りで、両親のうしろにすぐ隠れてしまうような子どもだったんです。みんなが外で遊んでいる時間にひとり教室で本を読んでいるようなタイプでした。ですが、アメリカに行った時、自分から話かけないと、どんどんひとりぼっちになってしまうので、これはまずいなと思い、積極的になっていきました。だから今は、いろんな人と話したいなと思う、以前とは正反対の性格になりましたね。エレベーターで知らない人に会っても『かわいいですね、その服』と声をかけてしまって、不審がられることもあるのですが(笑)

──この仕事をするうえでは大事な要素ですよね。

佐久間 はい。大学時代は芸能関係の事務所に所属していて、そこで報道番組に携わったり、アナウンサーの方々と一緒に仕事をさせてもらう機会がありました。率直に楽しいなと思えることが多く、この職業を目指したいなと思いました。実際、まさか自分がアナウンサーになれるとは思っていなかったのですが、実現することができて自分でも驚いています。

──アナウンサーをやっていくうえでのポリシーや、影響を受けたことなどはありますか?

佐久間 いつだか大先輩の西山喜久恵アナウンサーが私だけに対してではないのですが、アナウンス室で「カラ元気って大事だよ」と話していたんです。「カラ元気があるからこそ、本当に元気になってくるから」と。明るく元気でいることが大切なのはわかるのですが、その当時、いろいろと上手く行かないことがあって悩んでいたんです。ですが、その言葉を聞いて「あ、自分で自分の機嫌をとることってこういうことなのか」と気づかされまして、いつまでも悩んでいるだけじゃ前に進めないなって、西山さんの一言でフッと力が抜けたんです。明るく元気にふるまえば、本当に心の底からそう思えるようになるので、そこはいつも心がけています。

──真面目な人なんですね。

佐久間 よくそう言われます。ただその反面いろいろと考え込んでしまいます。「もしこうなったらどうしよう。ああなったらどうしよう」と。

──ネガティブな面は悪いことばかりではなく、慎重に仕事を進められるといった面もあると思います。

佐久間 はい。だから仕事に対してはすごく準備をしますし、できるだけ不安をなくすような努力をしています。

──そこはアスリートの方々と似ているかもしれませんね。不安をなくすために、準備というできるかぎりの練習をする。

佐久間 そうですよね。自信を持つためにたくさんの準備ができれば、その結果、安心もできる。ただアスリートの皆さんは何がすごいかって、本番でまったく不安を感じさせずにプレーしていることですよね。自分と比べてしまうのはおこがましいのですが、私はいくら準備を重ねても不安を残したまま本番を迎えることが少なからずあります。ですから『S-PARK』を通して、アスリートの方々からいろいろと学びたいと思っています。

──メインキャスターとしてスタートしてまだ2~3カ月、佐久間アナウンサーがどんな成長をしていくのか、それも含め楽しみに拝見します。

佐久間 新米スポーツキャスターですし、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、多くの方々に受け入れてもらえるよう頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました。

PROFILE
佐久間みなみ(さくま・みなみ) 
1997年11月18日生まれ。2020年フジテレビ入社。愛知県名古屋市出身。血液型0型。スポーツ・ニュース番組『S-PARK』のメインキャスター。12歳から16歳までをアメリカ・ペンシルバニア州で過ごし、海外のアスリートにも英語でインタビューを行なっている。
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