■仙台は複数失点の流れをたてるか 6月25日、26日に行なわれるJ2リーグ第23節。25日、3位のベガルタ仙台は7位の…
■仙台は複数失点の流れをたてるか
6月25日、26日に行なわれるJ2リーグ第23節。25日、3位のベガルタ仙台は7位のモンテディオ山形とのホームゲームだ。
原崎政人監督が指揮する仙台は、リーグ戦でここ3試合勝利から遠ざかっている。しかも、3試合すべてで複数失点を喫している。
6月22日の天皇杯3回戦では、1月に右ひざを手術した蜂須賀孝治が、先発メンバーに名を連ねて78分までプレーした。また、5月1日のメンバー入りを最後に戦列から離れていた福森直也も、70分までプレーしている。ディフェンスの再整備が急務な状況を考えると、ふたりの経験豊富なDFのメンバー入りは選択肢に入ってくるかもしれない。
対戦相手の山形も、ここ数試合は戦いぶりが不安定だ。21節は水戸ホーリーホックに0対1で敗れ、16節の順延分で岩手と3対3で引分け、前節はヴァンフォーレ甲府に0対1で敗れている。こちらも3試合勝利がない。
チームトップの7得点をあげていた藤本佳希が、15節を最後に負傷離脱している。右サイドバックのレギュラーの半田陸とCBのバックアップの木村誠二は、AFCU-23アジアカップを戦うU-21日本代表に招集されていた。甲府戦では藤本に代わって最前線の軸となっているデラトーレが、前半のうちに負傷退場している。バックアップ層に不足はないものの、ベストメンバーを組めない状況が続いている。
いずれにせよ、この試合は「みちのくダービー」だ。どちらにとっても負けられない一戦であり、勝つことで浮上のきっかけをつかめる一戦でもある。
4試合ぶりの勝利をつかむのか仙台か、山形か。
■天皇杯で川崎Fを衝撃の零封! 東京Vに変化の兆しが
城福浩監督が就任した東京ヴェルディに、変化の兆しがうかがえる。
堀孝史前監督の指揮下では、得点も失点も多かった。しかし、新監督の初陣となった6月18日のレノファ山口FC戦は、3対0のクリーンシートを達成した。無失点は8節の大分トリニータ戦以来、実に14試合ぶりだった。
22日に開催された天皇杯3回戦でも、東京Vはクリーンシートを成し遂げる。しかも、J1の川崎フロンターレをシャットアウトしたのだ。
前線から意欲的にプレスをかけていき、後方からビルドアップを試みた。プレスを剥がされることも、ビルドアップを阻害されることもあったが、最後までハードワークを続けていった。FW佐藤凌我が決めたスーパーミドルを守り切っての勝利ではなく、アグレッシブに試合を進めたうえでの「ウノゼロ」である。
試合後の城福監督も、チームの戦いぶりを評価した。
「自分たちが取り組もうとしているもの、その手ごたえがほしいという意味では、腰が引けるような試合だけはしたくなかった。そのなか、今日のように勝って反省できれば一番良いと思っていたので、(監督に就任してから)短い時間ですけど、やろうとすることを選手は90分具現化してくれたと思います。
GKマテウスのビッグセーブ、あるいは選手が守備でよく戻ったところも含めて、自分たちがラインをギリギリまで上げること、そこから戻すところは、短い時間でもよく体現してくれたと思います」
現時点で戦術に大きな変化はない。違いがあるとすれば、選手起用だ。川崎F戦では、リーグ戦のプレータイムがひとケタの佐古真礼と西谷亮、それに出場4試合の宮本優が先発に名を連ねた。佐古は19歳、西谷は18歳、宮本は23歳だ。
城福監督は「パリ五輪組(U-21日本代表の馬場晴也と山本理仁)もいなかったので」としながらも、「年齢では決めていません。ピッチ上のパフォーマンスで決めている。ピッチ上で、練習場で、示した選手が出ていく」とのスタンスを強調した。
週末のJ2リーグ23節は、アウェイでのジェフユナイテッド千葉戦だ。ケガ人が多いなかで6戦負けなし(3勝3分)と踏ん張っている相手を、攻略できるのか。
61歳の指揮官は「我々は後半戦、まだリーグ戦は1試合しかしていない。何もあきらめていないという姿勢を見せるためには、次の試合を落とすわけにはいかない。川崎F戦のパフォーマンスを週末の千葉戦でも維持したい」と語る。
勝点29の東京Vと勝点31の千葉の激突も、J1参入プレーオフの行方に関わってくる6ポイントマッチと言っていいだろう。